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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2021-07-16 【ちょっとの不純物が効力を発揮する】

今日は、またまた、朝ドラ『おかえりモネ』の話題。ちょうど2ヶ月、9週分を放送して、第一章が終了でございます。来週からは「東京編」がスタートでございますね。ここへ来て、「おかえり」というタイトルの意味が、何となく分かってまいりました。

主人公の百音(ももね、通称もね)は、二度と戻らぬ決心で生まれ故郷の離島を離れ、東京での生活が始まるわけでございます。で、その決心の百音が、あんなことこんなこと有って、再び生まれ故郷に戻ってくるという感動のシーンが、終盤には控えているのでございましょう。だからこその「おかえりモネ」というタイトルなのだろうと、ワタクシ、勝手な推測でございます。

ドラマ的にこの第一章の登米・気仙沼編で重要なのは、主人公の持つ、以下のモヤモヤでございましょう。主人公のこのモヤモヤが、次の東京編にシフトしていくカタパルトとなり、終盤の「おかえり」へのカタルシスに繋がります。正直な感想を述べさせてもらうなら、清原果耶さんのこのモヤモヤの表現は、緩かったというか場当たり的だったかも。ですから、「東京に行きたい」という主人公の想いや葛藤も、今ひとつ、説得力を欠いている感じがしたなぁ。

  • 主人公の「とにかく島から離れたい」という想い
  • 主人公の、音楽を断念したという挫折感
  • 主人公の「震災時、何も出来なかった」というトラウマ
  • 主人公の「自分は、何の役にも立っていない」という自己否定感
  • 主人公の「二度と島には戻らない」という決意

でね、良い役者というのは、逆算で考えるもの。第一章の最後にこのモヤモヤを最高調に持って行くために、序盤から、どのシーンのどのセリフで何をどのくらい「匂わせておくか」、と考えて演技計画を立てる。当然、脚本にもそういうことは伏線として盛り込まれている。脚本家のその意図をくみ取って、キャラ設定をし、表現していくのが、役者の仕事でございます。

非常に、歯に衣着せぬ言い方をいたしますよ。役者の仕事をこのレベルとみると、清原果耶という女優さんは、ま~だこのレベルに達しているようには見えないのでございます。しか~し、ネットの評論、共演者のインタビューなどでは、彼女の演技力をベタ褒め。ワタクシはこれに、ちょっと違和感が有るのですよね。事務所からの「何か」が影響しているのではないかなぁ、と勘ぐってしまうのでございます。

事務所には、女優「清原果耶」を売り込みたい、これを機にブレークさせたいという思いは当然あるでしょう。でもねぇ、実力が伴わないまま事務所が広げた大風呂敷の上で息切れしてしまう、なんて事態も想像しちゃうのですよね。可能性の有る良い要素を持った女優さんだと思うので、長~い目で育てて欲しいなぁと願うばかりでございます。

ワタクシが言うのも生意気な話ですが、まだまだ演技の引き出しは限られている女優さんだと思います。しかし、ちょっと陰(かげ)を持っているのですよね。これは、持ちたいと思って持てるわけではない天性の強力な武器なのでございます。いかんせん、彼女はこの強力な武器を自覚してないのか、コントロールして利用するには到っていない。だからこそ、今、彼女にとって大事な時期だと思うのでございます。

音楽でも舞台でも、「わずかな不純物」というのが強烈に趣を深くするということがございます。完璧、純粋、綺麗、といった正道から微かに外れる要素が含まれた時、その表現がいたく感動的になったりいたします。甘い物にほんのちょっとお塩を加えると甘みが増すのと同じかな(笑)。そう、生まれ持った「陰」という強力な武器を意図的に使える様になったとき、清原果耶さんは覚醒する可能性がございます。事務所がゴリ押しするのも、そんなポテンシャルを見いだしているからでしょうね。

ということで、来週からの「東京編」に期待でございます。ちょっと土くさいイメージの「百音」が、登米の大自然の風景によく合っておりました。東京へ行って、どんな感じであか抜けていくのでしょうね。それも楽しみでございます。


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