店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
業務報告でございます。「愛原みき」がお休みを取っておりますが、彼女、AVビデオとシーメールスタイルのグラビア撮影のオファーが入りまして、その撮影のために東京に行っております。AVビデオの発売日、グラビアの掲載日などが分かりましたら、またご報告いたします。
さて、あっという間に、12月に突入なのでございます。被災地の方では仮設住宅に断熱材を貼る工事が進んでいるようでございますが、あの“仮設”住宅にいったい何年住ませる気なんでしょうねぇ? 震災からそろそろ9ヶ月、団地の一つぐらい建ってても良さそうなものでございます。
4ヶ月ほど前、東海テレビの『ぴーかんテレビ』という番組が不適切テロップで打ち切りになったのは、まだ記憶に新しいことでございましょう。その後、その空いた時間枠にはフジテレビ系のドラマの再放送が流されておりました。この再放送ってのがなかなかあなどれなく、『古畑任三郎』のシーズン2とシーズン3を、みっちり鑑賞させていただきました。そして、その古畑以後は『アルジャーノンに花束を』が再放送され、先日、その最終回を見終わったのでございます。
ワタクシ、このドラマは初見でございます。ダニエル・キイス著の原作は若い頃に読んでおりますし、映画も観ております。しかし、その救いようのない空しい結末に、テレビドラマ化されたときには敬遠しておりました。なんでしょうかねぇ、結末の空しさを知っているからでしょうか、あるいは、世界的な名文学ゆえに、それが促成栽培のドラマ化でよくあるような稚拙な演出や演技で汚されるのを危惧していたのでしょうか。2002年の放送時には全く避けていたものを、今回、その再放送でじっくりと鑑賞させていただいたのでございます。
原作に比べると、ドラマの方はちょっと温かい救いのある結末にしているようでございます。もちろん、本筋は原作を逸脱していないことに安心いたしました。お茶の間ドラマとして放送するには、あまりにも救いのない結末には出来なかったのでございましょう。涙を誘いつつ、ほどよいテイストのドラマに仕上がっていると思うのでございます。実は、その出来のほどを心配しながら観た今回の再放送でございましたが、非常に好感が持てるドラマだったのでございます。特に、主役のユースケ・サンタマリアをはじめ、出演者全員が実に誠実な演技をしております。誠実ってのはいいですねぇ。誠実の反対語は何でしょうかねぇ? 「あざとい」でしょうか?
ワタクシ、小さい頃に映画化されたこの作品を観て、多分、トラウマのようなものを持った気がいたします。全く救いのない結末、不条理なその内容に、ひどく傷ついたような気がするのでございます。しかし、そんな不条理の中に「現実(リアリスティック)」を見いだしたのでしょうか、ワタクシはね、どんどん不条理映画を好む大人になってしまったのでございます。あぁ、三つ子の魂百までとは、よく言ったものでございます。しかしながら、そういった不条理映画やドラマは、興行収入や視聴率の面で不利にならざるをえない。実際、ドラマ『アルジャーノンに花束を』の2002年放送時には、あまり視聴率が良くなかったようでございます。最近のテレビ局は財政的に厳しいので、確実に数字の取れる番組を、ということで、ネームバリューのあるタレントを起用した明るい内容の、結果的に促成栽培のドラマが多くなっているのではないでしょうかねぇ(特に民放)。
NHK-BSの『たけしアート★ビート』という番組が好きで、毎回見るようにしております。先日の回のテーマは「日本刀」でございました。西洋の“剣”が比較的単純な形や構造であるのに対し、日本刀には非常に高度な“機能美”があるのでございます。それゆえ、今日、日本刀が高尚な美術品として扱われている理由でもあると思うのでございます。
その日本刀でワタクシが思い出すのは、『梅干しと日本刀』という30年以上も前に発行された名著。読んだのはワタクシが中学生くらいの頃でしょうか。その本で語られている古(いにしえ)よりの日本人の知恵に感動したものでございます。日本刀を美術品にまで昇華させたその機能美は、実は、ひとえにその切れ味を鋭くするために行われた創意工夫の副産物だったのでございます。
ちょっと話が変わりますが、フェラーリの設計をした日本人がおります。奥山清行という人で、「イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした男」と言われている人でございます。その奥山さん、今では車のデザインから遠ざかっているようでございますが、数年前にスポーツカーをデザインしております。そのスポーツカーのコンセプトが、「日本刀」。現物を見ると、まさに日本刀に見られるあの微妙な反りを彷彿とさせるデザインなのでございます。
「現物を見ると」なんて申しましたが、実は、その“現物”が、すぐ近くに存在するのでございます。お店の近くに「ヤマザキマザック美術館」がございますが、その1階のショールームに展示してあったのを、少し前に発見いたしました。ショールームはガラス張りですので、外からでも十分見つけられます。場所は、地下鉄「新栄町」1番出口を出たところ。ショールームはビルの西側でございます。ちなみにショールームは入場無料(アンケート記入が必要)ですし、ガラス張りで外からでも十分鑑賞できるのでございます。地下鉄の1番出口を出た際には、チラッと思い出してみて下さいませ。日本刀とスポーツカー、その両者のデザインが“機能美”で結ばれているという事実、面白いのでございます。
大晦日でございます。毎年、何人かのお客様がお店で年を越されるのでございますが、本年は、そのようなお客様はいらっしゃいませんでした。むしろ、昨日の30日に非常に多くのお客様がいらっしゃいましたので、みなさん、大晦日は家庭でゆっくりするつもりで、30日までに“ヌキ納め”をされたのかもしれませんね。いろいろなことが有った年ですので、一年の最後の日は、自宅で粛々と過ごしたくなるのも、もっともなのでございます。
今年(2011年)は、日本の歴史の中で、大きな転機の年となることでございましょう。大災害によって大きく痛めつけられた年ではございますが、また、その大災害を通じて、日本人が自らの誇りを再認識した年でもございました。また、メルトダウンなんて世界中に迷惑をかける不祥事を起こしてしまいましたが、これを機に、原子力発電に関しては、全世界が大きな転機を迎えるということも予想されるのでございます。
あぁ、余談ですが、ワタクシは「絆」という言葉が大ッ嫌いでございます。「絆」という語は、震災の前から民主党が使っていた政治スローガンでございます。それを、たまたま震災後に“流用”しただけ。この“流用”というケチ臭い根性がそもそも気に入らない。言葉の意味を考えても、どうも絆という語が復興のイメージに結びつかない。まぁ、民主党のていたらくを考えたら、とてもそんな政党のスローガンを声高々に叫ぶ気にはならないのでございます。
さて、あるDVDが、秘かに売り上げを伸ばしているそうでございます。『空から日本を見てみよう』というテレビ番組のDVDなのですが、その15巻の「宮城県」が収録されているものが、秘かに人気があるようでございます。もちろん、この番組の収録は震災前でございますので、まだ災害に遭う前の綺麗な海岸線が記録されております。DVDを見ておりますと、ニュースなどで見覚え・聞き覚えのある地名が登場してまいります。「すっかりその姿を変えてしまった場所の、“在りし日の姿”を手元に置いておきたい」と思う人が、多いのでございましょう。この「宮城県編」の放送が2010年の9月、DVD発売が2011年の2月。そのDVD発売の1ヶ月後に震災をむかえるとは、なんとも皮肉なものなのでございます。