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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2021-02-25 【朝ドラ進化論】

近年、やたらNHKは朝ドラを再放送しまくっております。本放送の他に、BSで1本、地上波の午後に1本。本放送を含めて3本の朝ドラが同時進行で放送されております。

BSの『澪つくし』、沢口靖子が初々しくてかわいいですよねぇ。ワタクシ、『澪つくし』は、今回、初見でございます。思いのほか、桜田淳子が非常に良い縁起をしております。「ようこそここっに!」のイメージしかなかったので、これは意外でございました。まだ演出家や監督が絶対権力を持っていた時代ですので、現場で相当しごかれたのでしょうねぇ。

地上波の午後に再放送されているのが、『花子とアン』。これを見るのは3回目ですから、特に興味を持って見ているというほどでもない。語りをやられている美輪明宏さんの声に癒され、そして、あの伝説の、仲間由紀恵演じる葉山蓮子が駆け落ちをするシーン、あれを待ちわびつつ、さらりと見ております。

本放送の『おちょやん』、主演の杉咲花さん、いい感じで年齢を重ねていっておりますね。そして、これは役者としてはほめ言葉なのですが、美人じゃないところがすごく得をしている。出来上がった美人だったりすると、演技の幅が限定される。と言うか、自分でリミッターをかけてしまうとか、事務所やファンへの忖度とか、どうも振り切るのが難しかったりするのですよね。

その『おちょやん』、先週のエピソードは、仲の悪い両家の娘と息子が恋に落ち、結婚に至るというお話。月曜日に恋が芽生え、金曜日には挙式をあげているというスピード結婚。つうか、シェークスピアの、もろパクリやん! まぁ、よく有る設定ではございます。

近年の朝ドラで顕著なのは、1週間分の5(6)話でひとつのエピソードが独立完結していること。だから、月曜日に事件が起き、火水木曜で展開し、金曜日で決着が付く、という流れになる。何週あるいは何ヶ月も前の伏線を受けて...というストーリーはほとんど無い。それゆえ、唐突だったり、やや強引な展開に感じられることも少なくございません。

伝説の朝ドラ『おしん』では、クランクインする前に既に、橋田壽賀子さんは最終話まで書き上げてしまっております。だから、長~いロングパスの伏線が有ったりする。『澪つくし』の作者はジェームス三木さんですが、やはり、週単位のぶつ切りではなく、大きなうねりが登場人物を押し流していくような筋書きを書かれております。

最近の朝ドラが週単位でぶつ切りになる理由を、いろいろ考えてみたのでございます。まず、視聴者がそういうのを望んでいるのかな。何かをやりながらの「ながら見」ですと、セリフを聞いているだけでストーリーが追えるような「分かりやすさ」がありがたい。そして、週で完結するエピソードは、途中から視聴し始めた人にも分かりやすい。ドラマの「見られ方」が変わって来たからというのが、仮説のひとつでございます。

仮説のふたつ目としては、脚本家が放送と同時進行で書いているから。これですと、長いロングパスの伏線を盛り込むのは、チョイト難しい。脚本家に綿密な計画性が要求されますよね。〆切に追われながら慌てて本を書き上げると、どうしても週単位の完結ストーリーが書きやすいということになってしまうのでございます。

三つ目の仮説としては、要は脚本家の地位が下がり、書き上げた後にカットや変更が頻繁に入るという理由。後々のために伏線を忍び込ませておいても、尺の関係などでカットや変更されたりすると水の泡になる。それならいっそ、週単位でガッチリとストーリーを固めておけば、たとえ変更が入っても大筋に影響されない、なんていう理由でございます。

まぁ、全くワタクシの妄想ですから、真相は分かりませんよ。いろんな事情とか、脚本業界のトレンド(死語?)みたいなものもあるでしょうしね。新旧の作品を同時進行で見ておりますと、いろいろ気づかされることが多いものでございます。今日は、朝ドラ進化論のお話でございました。では、では。


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