店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
「お母さん食堂」事件をご存じでしょうか? お母さん食堂とは、ファミリーマートに並んでいる惣菜のブランド名でございます。この「お母さん食堂」という表記に、ある高校生が「食事を作るのはお母さんだけですか? 性別で役割を決めつけるのはよくない」とツイッターに投稿した事が発端でございます。
まぁ、よくありがちな話題でございます。古くはカレーか何かのCMで、「わたし作る人、あなた食べる人」というキャッチコピーが大問題になって、そのCMが放送中止になった事もございました。それ、45年も前のお話でございますよ。この作る人・食べる人問題、なかなか、煮詰まりませんねぇ。
同じ文言でも、全く気にならない人と、カチンと来てしまう人がいるのは世の常。気にする人、気にならない人、それぞれ居て、みんな違って、みんないい、で大団円にしてしまえば良いことなんですけどねぇ。いつでもこの問題は、「どちらが勝つか」の喧嘩になってしまう。でもね、そもそも勝敗がつく問題じゃぁないんでございます。
ワタクシがこの問題で重視するのは、「じゃぁ、『お父さん食堂』という表現が『禁止』されているのか?」という点。この表現が「お母さん」に限定されているとしたら、それはジェンダーの問題として少し気になりますよ。でもね、お父さん・お母さん、どちらの表記も可能という状況の中で「お母さん食堂」になったのならば、それは「選ばれた」「優秀だから採用された」という考え方も出来るでしょ。
そして、もうひとつ考えなければならないのは、こういった作る人・食べる人問題では、その勝ち負けばかりが前面に出てしまい、この問題をどの方向性に持って行くべきなのか? という「未来」が論じられないことでございます。よく、女性社員ばかりがお茶くみをさせられる、台所(調理)を夫(男性)が手伝ってくれない、なんていう問題がございますよね。商品名が変われば、そういった問題が解消されるのでしょうか? あぁ、本末転倒!
高校生の「お母さん食堂」という名称を変えて欲しいという主張、いただけないですねぇ。これには、「名前を変えさした=自分たちの勝利」という考え方が入っていませんか? 相手を変えさせるというのは上から目線の暴力でございます。だから、叩かれてしまう。お母さん食堂というブランドのコンセプトを理解した上で、「でもね、こんな問題もあるのですよ」と「共感」を求めるような主張にすべきでしたよね。