店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
昨日のこの欄、自分で読み返しておりまして、どうも「がさつ」と記した部分が気になったのでございます。「繊細でない人」っていうのは、けっして「がさつ」ではなく、「繊細な人ほどに敏感ではない」ということ。ということで、「その他大勢」という表現に書き改めました。「繊細」の反対語の「がさつ」を不用意に使ってしまいましたね。
で、今日、あるクイズ番組を見ておりましたら、「『損(そこなう)』の送り仮名は?」という問題がございました。小学生の回答者は簡単に分かった様子。選択肢は「損う」「損なう」「損こなう」の三択。パソコンで文章を書いておりますと、こういうの、苦手になりますよねぇ。そこでワタクシは、大人の知恵をフル回転でございます。
まず、送り仮名には基本的なルールがございます。語幹、つまり動詞の「変化しない部分」を漢字に当て、活用語尾、つまり変化する部分を送り仮名に当てるという基本原則でございます。まずは、「損(そこなう)」を活用させてみましょう。
そこな_わない そこな_います そこな_う そこな_うとき そこな_えば そこな_え そこな_おう
ワ行五段活用でございますね。語幹は「そこな」。ですから回答は「損う」ですよね。どんなもんじゃぁ~、これが大人の知恵ってやつじゃぁ~、とドヤ顔でテレビの回答を待っておりましたら、正解は「損なう」でございました。もちろん、先の小学生は正解。大人の知恵の大敗北でございます。
と、ここで思い出したのが、送り仮名ルールの例外。読み方が紛らわしいときには送り仮名を増やすというルールがございます。「損」という漢字には、いったいどんな紛らわしい読み方が有るのだ?! 今度は漢和辞典の登場でございます。
そこね_ない そこね_ます そこね_る そこね_るとき そこね_れば そこね_れ そこね_よう
今度はナ行下一段活用でございます。「そこね」までが語幹ですが、送り仮名は「損ねる」となっております。原則通りに送り仮名を送ると「損ない」の読みが「そこなわない」なのか「そこねない」なのか紛らわしい。「損ます」も同様。この理由で、送り仮名が一文字多く送られているのでございますね。「害(そこな)う」は紛らわしい読みが他にないため、基本原則どおりの送り仮名ということに。
でね、今回、チョイト違う発見がございました。「損ねる」をネットで検索していて、見慣れないページを発見したのでございます。そのページでは、日本式の「未然・連用・終止・連体...」という並びではなく、「現在・過去・可能・受身...」といった並びで記載されていて、それぞれが「肯定・否定」に分けられ、さらに「平文・丁寧」に分けられている。多分、外国人向けなのでしょうね。