店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
ワタクシがニューハーフとしてデビューしたお店には、ワタクシと同じ「干支」のニューハーフが、ワタクシを含めて「4人」おりました。その4人が綺麗にひとまわり違いの年齢。20代、30代、50代、60代という構成でございました。さぁ、ワタクシは何歳でデビューしたでしょう?
数学好きな方は、計算してみて下さいませ。ピッタリの数字は出ませんが、かなり絞り込めるはずでございます。先日、お酒好きな大先輩ニュハーフのお話をいたしましたが、このワタクシがデビューしたお店というのは、また別のお店のお話。で、「同じ干支4人」というのは、実際に有ったお話でございます。
ワタクシがデビューしたのは、名古屋は錦三のクラブ。踊る方のではなく、接待飲食店の方。働いていたのは、ママ以下全員ニューハーフ、と言うか、当時の言い方をすればゲイボーイ。同じ干支が揃っていたというのは、ほんと偶然でございます。でも、当時のちょっと大きなお店でしたら、20代~50代くらいのニューハーフが混在して働いているというのは、よく有ることでございました。
ワタクシの世代のニューハーフは、自分の周りに、自分よりはるか上の年齢の先輩が存在するという人口ピラミッドが形成されておりました。上を見上げると、「自分もあんな風に年を取っていくのだな」と、10年後、20年後、30年後の自分の姿がなんとなく想像出来たものでございます。自分の理想と先輩を重ねたり、未来予想図が持てたりもいたしました。
さて、現在のお話をいたしましょうか。今、自分がいい年になりまして、若い人と将来の事を話したりいたします。近年、ニューハーフ業界に足を踏み入れている若い方々っていうのは、一様に、将来の未来予想図がなかなか持てないでいる感じがいたします。自分が年を取ったとき、どんな生活をしているのか想像出来ないということ。これは、いろいろ不安でしょうねぇ。
ワタクシの想像ではありますが、かつてニューハーフ業界人口ピラミッドの頂点にいらっしゃった方々は既にお亡くなりになり、本来なら中堅クラスの方々が上に移行するのが常道。でも、今、その中堅以上のニューハーフの方々が働ける場所というのが、年々少なくなっている感じがするのですよね。
中堅以上の方々が行き場を失い、ニューハーフ業界から離れていく。そんな事があって、今、若いニューハーフが年輩あるいは高齢のニューハーフに接するというシチュエーションが、かなり減っているのではないかなぁ。それが、未来予想図を持ちにくくなっている原因のひとつとも考えております。
また、ワタクシの世代のニューハーフは、「社会復帰(笑)しない(出来ない)」という覚悟の元でニューハーフ業界に入ってきております。だから、自分が年を取ってもニューハーフをしているだろうと自然に想像してしまう。けれど、今、この業界に入ってくる方々は、そこまでの覚悟は持っていなかったりする。覚悟が無ければ、迷いますよね。自分の人生の予想が立てにくくなるということになる。