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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2020-07-18 【大人 vs 子供】

本日のNHK『SONGS』は、今や世界的スターになりつつある韓国の男性グループ「BTS」でございました。ワタクシ、K-POPをことさら好きというわけではございませんし、このBTSもことさら聴くというわけでもございません。むしろ、このグループを世界に押し上げていった韓国の戦略に興味があったりいたします。

もう10年くらい前でしょうか、J-POPとK-POPが何かにつけて比較されるということがございました。「少女時代」や「KARA」と日本の「AKB48」が比較されたりしておりました。それで韓国のファンはAKB48を見て、「シロウトっぽい」「子供っぽい」と揶揄し、「韓国の方がプロだ」なんて主張。当時は「種類の違う物を比較して、なんと愚かな主張か」と思っておりましたが、今思うと、それが韓国の国家的戦略だった様でございますね。

「種類が違う」と申しましたが、どうも日本の「アイドル」と呼ばれる人達のウリは「幼さ」「拙さ」の様でございます。これはね、アニメも同様。「子供っぽさ」のある登場人物でないと売れない。しかしその「設定」が、日本国内では莫大な利益を上げている。ただね、この「国内仕様」が、海外へ進出する際の販路をニッチにしてますよねぇ。この「子供っぽさ」ってのは、ややマニア向け、オタク向けなのでございます。

そして韓国のK-POP。当初は「J-POPの焼き直しだ」みたいに言われてましたが、ワタクシはむしろ「洋楽をコピー」、特にアメリカを目指しているような感じがしておりました。音楽は元より、「振りつけ」ですよね。一流ミュージシャンのバックダンサーがやるようなキッチリとしたダンスをかなり繊細に決めております。練習量も相当なものだと思いますよ。

そして、J-POPと決定的に対称的なのは、K-POPは常に「大人の男」「大人の女」を演出していることでございます。男も女も、「大人の色気」を漂わせているのですよねぇ。日本のアイドルがむしろ「色気を封印」しておりますので、なおさら対称的でございます。この大人路線を見るに、K-POPは当初から「アメリカがターゲット」だったのでしょうねぇ。韓国政府の後押しも有る10年以上をかけた壮大な計画が「BTS」で実を結びかけている、といったところでございましょうか。

日本でも本格的な歌唱、本格的なダンスを持ち前にしているグループはおりますよ。ただ、そういった本格的なグループは日本国内で今ひとつ人気を盛り上げられず、海外に出て行く底力を持てない。逆に日本国内で圧倒的な人気の人達は、その「子供っぽさ」や「拙い英語力」で、やはり海外では一般受けしにくい。こう考えると、音楽の世界でも、日本はガラパゴス化してますねぇ。

映画も、韓国映画がアカデミー賞を受賞したりしてますし、国家戦略としての韓国文化の世界進出、もう少しいろいろな人やグループや作品が、世界のトップに名を連ねることになるかもしれませんね。日本のガラパゴス化を悪いとは思いませんが、「日本文化はマニア向け」というのを認識した上で、「日本流」の進出の仕方を工夫しないといけないでしょうね。頑張れ、ニッポン!


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