店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
日本経済新聞(デジタル版)に、「つながれないIoT 内弁慶なキッチン家電」なる記事がございました。要約しますと、日本だけの高すぎる安全基準、古い電波法が日本のIoTの芽を摘んでいる、そんな感じでございます。かなり早い時期にIoTを先駆けていたパナソニックにケチをつけたのは、他でも無い日本の経済産業省。自国の役所に足止めを食らっている間に、あっという間に海外製品に席巻されてしまいました(あぁ、なんということか)。
また別の記事、東洋経済に「『日本製品』が海外で売れなくなった根本原因」という記事がございました。こちらは無料の記事なので、末尾にリンクを紹介しておきましょう。こちらの記事では、日本の問題点は「減点型の完璧主義」と言っております。調査・熟考を重ねた上で、最初から完璧を目指してしまうのが日本流。これが、現在の世界的動向である、徐々に完璧を目指す「加点型の完璧主義」に完全に立ち遅れているということなのでございます。
ワタクシ、かなり前に、ニューヨーク在住の新聞社の社長さんのブログを紹介いたしました。その社長さんいわく、ニューヨークでは、チャンスを見つけたらまず直感で飛びつくのがビジネスの定石とのこと。後は野となれ山となれ。ところが日本の企業がニューヨークに進出する際は、とことん現地調査や消費者動向を調査し尽くし、何十回という会議を繰り返し、それでやっと進出が決まるとのこと。日本のこの伝統的なビジネス方式が、ニューヨークに転がっているビジネスチャンスの多くをスルーしてしまっている、と書かれておりました。
ネットの時代には、世の中が目まぐるしく変わっていく。日本の「最初から完璧」を求める慎重さが、そのネットの速さに付いていけないのでしょうね。じゃぁ、加点型の完璧主義にあやかって、市場調査的な実験製品を世に送り出せるかと言いますと、今まで完璧な商品を出し続けていた老舗家電メーカーのブランドが、それを許さない。あぁ、詰んでしまっているのでございます。そして更に不幸なのは、「詰んでいる」という状況を日本の家電メーカーもお役所も、あまり自覚していない様子なのですよね。
また、時代の見えている若い人に決定権がなく、ネットを全く利用していない重役クラスの人達が決定権を持っていたりする。大企業ほど、この図式になっているのではないかなぁ。ここでね、じゃぁ、さっさと若い人に決定権を与えない重役クラスが全面的に悪いのかと申しますと、ワタクシ、ちょっと引っかかることがございます。今の若い人が、ことさら責任を持つのを嫌がることでございますよね。失敗を必要以上に怖がり、冒険も投資も出来なかったりする。ここにも原因の一端が有るように思えるのでございます。
ドラマなんかでよく聞くこんなセリフ、「自由にやってみろ! 責任は俺が取るから!」という上司が若い部下を激励する言葉を思い出すのでございます。今、日本の家電メーカーに求められているのはこのドラマの様な関係なのですけどねぇ。といったことを目指したのかどうかは分かりませんが、ちょっと前にSONYが、大規模なリストラをいたしました。名ばかりの重役を大量にリストラしたのでございます。日本の家電メーカー、巻き返すには根本的に企業内の構造から解体するしかないのかもしれませんよね。
世界のトレンドは、「中途半端や未熟でも、取りあえず商品を世に出すこと」でございます。出しながら改良を加えて、製品の完成度を高めていく。このフットワークの良さが、キモなのでしょうねぇ。日本の企業も、そしてお役所も、フットワーク悪いからなぁ。なんてことを考えながら、新しい洗濯機、どのメーカーにしようかと思い悩むワタクシでございました。では、では。