店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
NHK BSで『はね駒』が再放送されております。1986年放送の連続テレビ小説(朝ドラ)でございます。ちょうどこの一週間、愛知県出身の女優さん「山田昌」さんが出演されておりました。名古屋弁と言えば山田昌、「名古屋弁女優」とも言われております。
昔の朝ドラってのは、方言をかな~り厳密に再現してましたよねぇ。字幕を出さないと意味が分からない台詞も有ったりするほどに、徹底しております。テレビに字幕が出なかった時代は、それはそんなものだと受け入れながら観ておりましたよねぇ。今のドラマは分かりやすさ優先で、あまり方言は厳密にしていない感じがいたします。
山田昌さんは、実に綺麗な名古屋弁を話されます。ワタクシも名古屋出身ですが、山田昌さんが使われるような綺麗な名古屋弁は、ワタクシは使えないのでございます。名古屋でも、ほんの一部のご老人だけでしょうね、そんな綺麗な名古屋弁を使われるのは。高齢で有名だった「きんさんぎんさん」も、そんな綺麗な名古屋弁を使われておりました。
名古屋の顔、名古屋市長の「河村たかし」さん、この方は、どちらかと言うと「綺麗でない名古屋弁」を使われます(笑、失礼)。と言うか、それが今残っている一般的な名古屋弁なのでございますが、これもまた、若い人でコテコテに使う人は少ないでしょうね。生粋の名古屋弁というのは、もはや絶滅危惧方言なのかもしれません。
ワタクシ、初めて東京へ出て行って演技の勉強をした時に、「アクセントがおかしい」と度々注意されたものでございます。名古屋弁のアクセントは、関東のアクセントにやや近い。しかし、この「やや」というのがワタクシにとっては大変なくせ者でございました。なぜなら、注意されるまでは「自分は標準語を話している」と思い込んでいたからでございます(笑)。
関西弁の様に真逆のアクセントだと、かえって変えやすいのでしょうね。似て非なる名古屋弁と共通語、なまじっか似ているところへ持ってきて、そもそも自分に「方言を喋っていた」という自覚が無い。だから「混同」してしまう。最初のうち暫くは、ほんと「アクセント辞典」のお世話になったものでございます。
名古屋というのは人の出入りが多く、生粋の名古屋弁を話せる人の濃度が徐々に薄まって行く。さらに、標準語と近い部分が多い為に名古屋弁が標準語に寄っていってしまう。そうやって、より緩~い名古屋弁をタレントさんなどが使い、それを名古屋人が「逆輸入する」なんてことも有るのかもしれません。