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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2020-06-18 【死にコスト】

レジ袋が有料化されるってんで、巷ではいろんな話がされております。仕入れた魚をそのまま氷の上で陳列する昔ながらの魚屋さんなどが、「困った、困った」と言っているそうでございます。

なんかね、長年「レジ袋無料」というのが浸透してまして、こういったところのコスト感覚がちょっとズレてないかなぁと思ったりいたします。スーパーなどでトレイに入った食品は、その梱包代が価格に上乗せされているわけでございます。レジ袋有料化ってのは、単にスーパーのトレイとレジ袋の「条件が同じになった」というだけのことでございます。

ワタクシ、かねがね思っております。かつて「お客様は神様だ」なんて言葉が持てはやされたためか、日本のサービス業は今や、「過剰サービス」に陥っている感じがいたします。レジ袋、ストロー、箸、送料...何かと「無料」であることが当たり前の様な風潮が有るのですよね。

これがね、顧客が「あぁ、無料で得した」と思ってくれて初めて、その無料サービスは商売的に意味を持ってくる。それでリピーターを期待できるとか、「生きたコスト」となるわけでございます。逆に、当たり前になってしまい無意識の内にやり取りされる無料サービスは、「死んだコスト」でございます。その無駄に捨てられたコストのしわ寄せは、末端の店員が被っているわけですよね。

プラスチックゴミうんぬんではなく、今こそ、経済的な面から、様々な無料サービスを見直すべきだと思うのでございます。「送料」とかも、「送料無料は全面的に禁止」なんてやって欲しいくらい。流通業が疲弊しまくっていて働き手が確保できないのは、「送料無料が当たり前」という風潮のしわ寄せが全部、末端のドライバーに来ているからでございます。

まぁね、今はいろいろゴタゴタしてますが、レジ袋有料化が始まってしまえば、みんなすぐに慣れると思いますよ。来年の今ごろは、みんな当たり前の様に袋を持参したり、あるいは当たり前の様にレジ袋の代金を払っていったり。上手に棲み分けていくと思います。だって、消費税でもなんでも、一時騒がれるけど、すぐにみんな慣れちゃったでしょ。日本人は、順応性の高い国民性の様でございます。

最後に、レジ袋有料化で、昔の「籐の買い物かご」が復活してくれるといいなぁ。子供の頃、母親の買い物に付いていくと、裸の野菜類、ビニール袋に入れて口を結んだ生魚、油紙と包装紙に包まれた惣菜、紙袋にバラで入ってる生玉子、そして、沢庵とかは長い一本そのままを新聞紙にくるんだだけでカゴに押し込まれておりました。

今や何でも完全に包装されていることに慣れきってしまい、少しでも包装が切れていたりすると、途端に清潔感を失ったりする。でも昔は、ほとんどの食材が、「裸」で軽く包まれるだけの状態で売り買いされていたのですよね。そんな情景が戻って来ないかなぁなんて言ってると、また「昭和世代がぁ」と言われちゃいそうですね。では、では。


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