店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
ワタクシ、かねてから同じ事を何回も主張しているのでございますが、カップラーメンの作り方の「書き方」、これに関しては、各食品メーカーには猛省を促したい! そして政府の消費者庁には、統一規格なるものの早急な整備をお願いしたいのでございます。
ま~ず第一に、作り方の説明文、文字が小さ~い! 他の説明文の中にひっそりと「埋め込まれている」ものも少なくない。どうして隠蔽しようとする! 明からさまに前面に出ては困るものなのか! インスタント食品がその作り方のお手軽さを前面に打ち出さないで、どうする!
先とか後とか湯切りとか、今のインスタント食品の作り方は複雑怪奇! にも関わらず「事故」が最小限に抑えられているのは、ひとえに、消費者の注意力のたまもの! しか~し、注意力に抑制されている事故というものがどれだけ脆弱かは、過去の多くの歴史が物語っております。今こそ、各メーカーには革新をお願いしたい!
作り方を記載する場所は、やはり天面がよろしいでしょうねぇ。フタをめくるとき、必ず目に入りますからね。書いてある場所を探す必要が全く無い。でもそこは通常、商品名がデカデカと描かれる場所。ならば、天面の上に商品名が書かれた紙を一枚乗せてしまうのがよろしいかと。実際にそのようになっているカップ麺も多く存在いたします。
さぁ、ここからが本題(前置き長くて、申しわけない)。常日頃我々は、「先入れ」「後入れ」という語を何の迷いも無く理解してカップ麺を使っている。しか~し、あの言葉、初めて見た人が一切の迷い無く理解出来るだろうか? あるいは、ほんの一部の文字しか理解出来ない外国人が見たら? デザインとは、初めて見る人、文字の読めない人が見ても一目瞭然であること、これが重要なのでございます。
では、「先入れ」「後入れ」の問題点から指摘していきましょう。この先とか後とか、これが「何の先、後」なのかが明示されていない。これが大問題。極めて曖昧な不完全な説明なのでございます。そしてさらに問題なのは、「後入れ」と同時に記載されている「お召し上がりの”直前”に」の文字。同一の物に対する説明文で、「後」と「前」の両方が使われていること、これも混乱を誘発する悪いデザインでございます。
「お召し上がりの直前に」、これ、ワタクシ、何十年も前から疑問に思っておりました。「直前」って、何秒前? 何分前? 3日間飲まず食わずの人がカップ麺を見つけたら、見つけた瞬間が既に「お召し上がりの直前」でしょ。作業の指示をする説明文ですから、「直前」などという感覚的な語ではなく、はっきりと「○○を行った後」と明示すべき。ですからこの表記は「○分まった後に入れて下さい」と書くのが正しいのでございます。
では、冒頭で紹介した画像をもう一度、見ていただきましょう。ここでさらなる問題なのは、文字の大きさ。この時、デザイン的に重要な要素は、「○分待った後に」「フタの上で温めて」ということでございます。でしたら、この二つの要素が最大の文字で書かれるべき。実際、「液体スープ」なんて文字、どうでもいいのでございます。「機能」よりも「メンツ」を優先させた悪いデザインでございます。
デザインには、それが醸し出す「イメージ(印象)」と同時に「機能」という重要な要素もございます。文字や形がその二つの要素のどちらにウェイトが置かれているかで、デザインも変わってまいります。では、こんなデザインを見て下さいませ。
いやぁ、お洒落な文字を使ってますねぇ。見た目綺麗、お店の表札に使いたいくらいでございます。しかし、これらの文字は、イメージではなく文字の内容を伝えるという「機能」をより強く持った文字。ですから機能性を重視し、読み間違いをより防げるこんなデザインの方が秀逸なのでございます。
「より分かりやすく伝える」というのも、デザインの重要な仕事でございます。今後、日本に多くの外国人がやって来ますよ。そして、日本でカップ麺を食べ、母国にお土産として大量に買っていくかも知れません。そんな人達が、そのカップ麺の作り方を一目瞭然で理解出来るでしょうか? 今こそ、今こそ、日本の食品メーカーは集い、協議し、統一の表記規格を作るべきでございます。
以前も同じ事を申し上げましたが、オモチャの「レゴ」の組み立て設計図が、デザイン的に秀逸でございます。文字が一切使われておらず、絵、色分け、最小限の記号で作り方を説明しております。世界的に販売されているオモチャですので、その設計図もグローバルの極でございます。