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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-12-25 【ツメが甘いんだよなぁ、松屋さん】

松屋で、注文した弁当が出てくるのを待っていた時のことでございます。仲の良さそうな老夫婦がお店に入ってまいりました。券売機で商品を選ぶのに戸惑っているご様子。店員を呼ぶも、折しも超満員で店員も手が空かない様子。そんな老夫婦が気になって、チラチラと見ておりました。

自分の商品は出てきたのですが、相変わらず店員は厨房にかかりっきりの様子。ワタクシ、帰りしなにそのご夫婦に「お手伝いしましょうか?」と声をかけたのでございます。何でも、プレミアム牛めしではなく「普通の牛めし」が見つからないとのこと。ワタクシが代わりに券売機を操作してあげたのでございます。

ここで、補足説明が必要でございますね。松屋の牛めしには、普通の牛めしの他に「プレミアム牛めし」なるものがございます。料金はどちらも同じで、プレミアムの方がチョイトお肉が上等。ただ、ここでややこしいのは、店舗によって「牛めし」と「プレミアム牛めし」の「どちらか一方」しか置いてないことでございます。

券売機で「普通の牛めし」が見つからず店員を呼ぶというシチュエーション、ワタクシすでに複数のお店で3回ほど目撃しております。ここで、ワタクシの触覚がピクピクッと動いたのでございます。デザイン的に何かが間違っているのではないかっ! ピクピクッでございます。

「普通の牛めし」を欲する人の心理は? それは「プレミアムじゃなくていいから、安い方がいい」というニーズなのでございます。ここでまず、松屋がお客をミスリード(誤誘導)しているひとつ目のポイントが見つかります。プレミアムと普通のが「同じ金額」であることが分かりにくいという点でございます。

そして、もうひとつのミスリードは、既に申し上げたました。「普通」と「プレミアム」の2種類の牛めし、それらが店舗によって「どちらか一方」しか置いてないことでございます。

さぁ、問題点を掘り下げてまいりましょう。2種類の牛めしはランクが違うのに、価格は同じ、そしてどちらか一方しかない、ここに問題の発端がございます。

原因を推測するに、1店舗に両方の商品を用意することは厨房の設備的に不可能なのでしょう。じゃぁ全ての店舗をプレミアムにする、ってのはコスト的に難しい。で、プレミアムは店舗限定商品ということに。でも、その限定店舗だけ価格を上げるのは多店舗との競争の上で好ましくない。それで、プレミアムも普通と同じ価格に。まぁ、こんなところでしょう。

では、松屋はどうすべきなのでしょう? まず思い当たるのは、「価格が同じなのだから、品目は”牛めし”で統一する」という方法。これで、どのお店も同一価格であることが暗示されます。その上で、上ランクのプレミアム肉を使っているお店は、その旨を目立つ場所に明示すればいい。

逆に、どうしても「プレミアム牛めし」という品目を使いたいのであれば、「当店の牛めしはプレミアム肉を使っていて、価格は同じ!」ということをはっきりと明示すべきでございます。その明示がないために、お客はより安いであろう普通の牛めしを探すハメになるのでございます。

チェーン店が、「同じ価格でランクの違う商品」を「店舗ごとにどちらか一方」というのは、そりゃぁ混乱が起きるはずでございます。そう言えば松屋は、以前にも、ビビン丼の牛肉バージョンと豚肉バージョンで同じ事をやってましたねぇ。厨房設備の制限で仕方がないのでしょうけど、「分かりやすく誘導する」というのをもう少し頑張ってもらいたいものでございます。

余談ですが、仲の良さそうなご夫婦、ワタクシが奥さん相手に券売機のレクチャーをしている間、旦那さん、ちゃっかり席を確保しておりました。良いコンビネーションでございます。夫婦が仲良く年を取っている姿を、なんか羨ましく思ったクリスマスの朝でございました。もう、いくつ寝ると、お正月、では、では。


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