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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-12-11 【最初は、よくある生活の知恵本でございました】

近藤麻理恵さんという方がおられます。名前がピンとこなくても、愛称の「こんまり」、あるいは『人生がときめく片づけの魔法』という書名を出せば思い当たる方もいらっしゃるでしょう。今は片付けコンサルタントとなって、アメリカで活躍されております。

この人の会社のオンラインショップで「音叉」と「クリスタル」を扱っているのですが、これが「割高だ」「不要だ」とマスコミに酷評されて話題になっております。日本で言いますと、マンガ雑誌に広告が載っている「願いが叶うネックレス」みたいな商品なのでしょうかねぇ。

この本の英訳が出るやいなや、「ときめきを利用して片付ける」という方法が、アメリカで大ブームになっちゃったのですよね。ブームになると、訳の分からない取り巻き連中が怪しい商売を引っさげて近づいてくるのは世の常。そんな取り巻きのひとつがやらかしているのでしょうね。麻理恵さんも、「ときめかない取り巻き」は捨てちゃえばいいのにね(笑)。

でね、どうして、この片付ける方法を記しただけの本がアメリカでブームになったかと言うと、いろんな記事を読むに、どうもこの本がスピリチュアルの宗教本として扱われているらしいのでございます。アメリカの書店でも、スピリチュアルの棚に並んでいるとのこと。その理由は、どうやら「ときめき」という語が関係しているみたいでございます。

「ときめき」を和英辞典で引きますと、「beating(動悸)」「excitement(興奮)」といった語しか出てこない。ちょっと違うのですよね。こういった物理的なものではなく、心の片鱗に触れて目の前がキラッと明るくなるような、そんな初恋のような感覚なのでございます。この「ときめき」をアメリカ人が解釈する上で、何かしらアジアンチックでスピリチュアルな空気を感じ取ったのでしょう。

そして、その「ときめき」を「物質」に感じるというのが、これまた異質だったのでしょうねぇ。先日も申し上げましたが、アメリカ人は「無駄に捨てる」ことを美徳と考える国民性。身の回りの雑貨に「もったいない」という感情は持ち合わせていない。本来、物質は「ときめき」の対象ではないのでございます。

「万物に魂が宿る」と日本人は考えますが、アメリカ人にとっては、服は着るもの以上のなにものでもない、靴は履くもの以上のなにものでもない、そんな感覚なのでしょう。片付けるどうのこうのより、「物質にときめく」という感覚が一人歩きしてブームになった感じでございます。

近藤麻理恵さん、いろいろ叩かれてますが、上手にやり過ごしていただけるといいですねぇ。


余談。ワタクシも、この『人生がときめく片づけの魔法』という本、購入して読んでおります。でも、ワタクシの部屋、片付きませんねぇ。『断捨離』という本も買って読みましたが、片付きませんねぇ。そういえば、ワタクシの母親も、ぜ~んぜん片付けられない人でございました。片づけの魔法よりも、我が家の「血」の方が濃かったようでございます。では、では。


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