店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
すぐさまレジを点検モードにいたしまして、レジ内の現金を確認! レジの金額は合っておりますので、ワタクシが落としたのではない。とすると、会計の際、お客様がポロッとやらかしたのでございましょう。こういったお店へいらっしゃるお客様は、緊張しているのが常。よく有ることでございます。
タイミング的に疑わしきお客様は3人。幸いにも、まだ3人とも店内にいらっしゃいます。しかし、もしお客様が帰ってしまったら、この1万円札をお返しする機会は完全に失われてしまう。タイムリミットは残りわずか! 名探偵カオルンは、落とし主を突き止め、見事お返しすることが出来るのか!
どうやって、落とし主を特定するか? 名探偵カオルン、その1万円札に「特徴の有る曲がり癖」を発見したのでございます。三折財布の折り目とも違う、きっちり折られているわけでもない、緩やかなカーブを描いて、大きなS字状に湾曲しているのでございます。
そこでカオルン考えた。落とし主が持っていた他のお札にも、同様の湾曲が有るはずでございます。再びレジを開ける。レジの中のお札の順番を変えないようにして、一枚ずつ確認していく。有った! ございました。レジの中で伸ばされやや湾曲は弱くなっておりますが、特徴的なS字が顕在な千円札が! 二つの点と点が、線で繋がったのでございます!
先ほど、レジの中を掻き回さないようにして調べたのは重要。レジのお札の重なり順で、お客様を特定出来るからでございます。カオルン、レジでのやり取りを必至に思い出す。しかし、三歩あるくと忘れる鶏の脳みそ。落とし主の究明は、困難を極めるのでございます。
ただ、ここで幸運だったのは、手がかりが千円札だったということ。当店の会計、千円札はそれほど動きが少ない。そしてさらに幸運なことに、千円札10枚で会計をされたお客様がいらっしゃったのでございます。さすがに鶏の脳みそのカオルンでも、これは覚えていたのでございます。
疑わしき3人の中で、千円札のやり取りが有ったのはそのお客様だけ。確定でございます。あとは、お返しするだけ。ちょうど、担当のコンパニオンが部屋から出てきたので、いきさつを話し、何気にお客様に聞いてみるようにお願いする。コンパニオンワトソン、大活躍でございます。
戻ってきたワトソンが言うには、お客様にも心当たりが有るとのこと。しかも、そのお客様、財布を持たず、お金を丸めてポケットに入れていたそうでございます。そう! あの不思議なS字状の曲がり癖は、丸めてポケットに入れていた跡だったのでございます。