店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
朝方、お化粧をしてましてね、ふと、鏡の中の自分の口に気がつくのでございます。口が、やや「へ」の字型になってる。口角が下がっているのでございます。「おやおや」と思いながら、あらためて口角を上げ、鏡の中の自分の顔を確認いたしました。
疲れているのか、はたまた筋力が落ちたのか、口角にほんのかすかな重たさを感じたのでございます。鏡を覗き込むと、自分のほほの下あたりの余分なお肉についつい目が行ってしまう。「素の自分の顔」の口が「へ」になっていることに、少なからず衝撃を受けたのでございます。
素の顔ってのは、な~んにも考えて無くて、心も筋肉も弛緩している時の顔のことでございます。お店で募集の面接をする時など、特に口の形に注目したりいたします。素の顔の状態で、口が自然と「へ」の字型になる人は、人気商売ではかなり苦戦するからでございます。
目や眉毛は、お化粧でどうにでもなる。しかし、口の形ってのはゴマカシが利かない。だから普段から自分で上げるしかない。そして、これは経験的に感じる事ですが、口を自然にへの字にしてしまう人というのは、まぁそれまでにいろいろな辛い経験をされたのでしょう、どこか偏屈さを呈していたりするのでございます。
とか生意気な事を言っているワタクシも、ニューハーフなりたての頃は、先輩のお姉さんからそりゃぁ厳しく言われたものでございました。「お客の前では、常に微笑んでろ」と言われるわけですね。ゲイバー、つまり飲食店ですから、営業時間内はずっと「お客の前」なのでございます。ずっと、ずっと、口角を上げていて、ほっぺたが毎日、筋肉痛!
でも、これね、1年くらいやっていると、ほっぺたの筋肉が鍛えられるのでしょうね、無意識に微笑んでいるようになる。こうなったらしめたもの。逆に、こうなるまでが辛い。このニューハーフ1年生の時の体験で、「あぁ、顔って変えられるんだ」と気付いたわけでございます。