«前の日記(2019-04-27) 最新 次の日記(2019-04-29)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2019-04-28 【素の顔】

朝方、お化粧をしてましてね、ふと、鏡の中の自分の口に気がつくのでございます。口が、やや「へ」の字型になってる。口角が下がっているのでございます。「おやおや」と思いながら、あらためて口角を上げ、鏡の中の自分の顔を確認いたしました。

疲れているのか、はたまた筋力が落ちたのか、口角にほんのかすかな重たさを感じたのでございます。鏡を覗き込むと、自分のほほの下あたりの余分なお肉についつい目が行ってしまう。「素の自分の顔」の口が「へ」になっていることに、少なからず衝撃を受けたのでございます。

素の顔ってのは、な~んにも考えて無くて、心も筋肉も弛緩している時の顔のことでございます。お店で募集の面接をする時など、特に口の形に注目したりいたします。素の顔の状態で、口が自然と「へ」の字型になる人は、人気商売ではかなり苦戦するからでございます。

目や眉毛は、お化粧でどうにでもなる。しかし、口の形ってのはゴマカシが利かない。だから普段から自分で上げるしかない。そして、これは経験的に感じる事ですが、口を自然にへの字にしてしまう人というのは、まぁそれまでにいろいろな辛い経験をされたのでしょう、どこか偏屈さを呈していたりするのでございます。

とか生意気な事を言っているワタクシも、ニューハーフなりたての頃は、先輩のお姉さんからそりゃぁ厳しく言われたものでございました。「お客の前では、常に微笑んでろ」と言われるわけですね。ゲイバー、つまり飲食店ですから、営業時間内はずっと「お客の前」なのでございます。ずっと、ずっと、口角を上げていて、ほっぺたが毎日、筋肉痛!

でも、これね、1年くらいやっていると、ほっぺたの筋肉が鍛えられるのでしょうね、無意識に微笑んでいるようになる。こうなったらしめたもの。逆に、こうなるまでが辛い。このニューハーフ1年生の時の体験で、「あぁ、顔って変えられるんだ」と気付いたわけでございます。

その後、舞台の世界を少しかじることになるのですが、プロを養成するスタジオのレッスンてのは、ことさら「笑顔」を重要視するのでございます。レッスンの段階から、「笑顔! 笑顔!」と厳しく注意される。息を切らせながらも、顔だけ笑顔。フラフラしながらも、顔だけ笑顔。狂気の世界でございます(笑)。

「素の顔」に特に注意していたワタクシですので、自分の口角が自然に下がっているのが、ちょっと衝撃的だったというわけでございます。自分の顔は変えられる。しかし、いつの間にか変わってしまっているということも有るわけですね。


«前の日記(2019-04-27) 最新 次の日記(2019-04-29)» 編集