店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
元来、電算黎明期において、コンピュータっていうのは数桁の足し算と引き算しか出来ない代物でございました。その足し算引き算を駆使して、かけ算割り算など複雑な制御をするわけでございます。その駆使する方法がプログラミングと呼ばれる物。
この当時のコンピュータは、同時に一つの仕事しか出来なかったのでございます。ごく単純な構造ですので、千に一つも間違えない。間違いが起こるとすれば、それは人間のプログラミングミスでございました。コンピュータがまだ完全に人間の支配下に有る時代でございました。
余談ですが、アポロ11号には、軌道計算の為、現在の電卓程度の能力のコンピュータが3機積まれていたそうでございます。その3機で「多数決」を取って、答えを決定していたとか。当時の部品は温度の影響などを受けやすかったので、過酷な環境での誤作動を心配したのでしょうね。
さて、コンピュータの速度がどんどん速くなると、同時進行でいくつもの仕事を処理できるようになるのでございます。まぁ、本当に「同時に」やっているわけではなく、非常に高速に各仕事を巡回することで、並列処理を実現しているわけでございます。
この並列処理、巡回する各仕事が全く独立していれば、問題は起きないのでございます。しかし、同時に処理する仕事が膨大になり、時として、仕事間で矛盾が発生するような動作を強いられる場合も起き始めたのでございます。すると、コンピュータは止まってしまう。フリーズとかシステムエラーと呼ばれるものでございます。
このあたりから、人間はコンピュータを持て余し始めるのでございます。人間が予期しなかった「矛盾」が次から次へと発生する。その不具合を修正する為の「アップデータ」で、毎日の様にコンピュータが更新される。人類は、コンピュータを永遠に修正し続けなければならない怪物に進化させてしまったのでございます。
このコンピュータ内部で起きていた「怪物化」と同じ事がネットで起き始めたというのが、昨日のお話。実は、ネットを飛び交う信号は、毎日、何億回(いや、もっと多く何兆回か何京回かも)という「矛盾」が実際に発生しているのでございます。それでもネットが止まらないのは、その矛盾を自浄する能力があるから。人間で言うところの免疫のような仕組みでございます。
人間が病気になるように、ネットも自浄作用の限界を超える矛盾が発生すると、止まるのでございいます。サーバがパンクするとかオンラインシステムが不通になるとか、時々起こりますよね。逆に、その自浄作用の隙を突いて悪さをするのがネット犯罪。