店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
カッチカチのカレールーの中に、乾燥とんかつが封じ込められております。まるで、遺跡や化石の発掘現場にさも似たり。コツコツと削ってトンカツを「発掘」したい衝動に駆られますが、そこは我慢、我慢。カッチカチルーを溶かす容器と、熱湯140ccを用意するのでございます。
こういったフリーズドライ系のもの、お湯の量が極めて重要でございます。ほんの10cc違うだけで、出来上がりが大きく変わる。このとんかつカレーの様なとろみの有るものはなおさらでございます。そこで登場するのが小さめの計量カップ。まぁ、メスシリンダーで計りたいくらいですが、ここはこれで良しといたしましょう。
熱湯を静かに投入。そして、1分間、攪拌! パッケージにも、「1分間、とろみが出るまで混ぜて」と記載がございます。ただ、いつものフリーズドライとは勝手が違う。柔らかなトンカツの衣を崩さないように混ぜなければなりません。とんかつに触らないようにルーだけを優しく混ぜる。とんかつカレーの攪拌は、困難を極めたのでございます。
1分くらい混ぜてますと、「これ以上はとろみが出ないな」という感じに落ち着いてまいります。ドロンドロンとはいきませんが、ややネットリとはなります。決してシャビシャビではない。出来上がったのが、こんな姿。いや、画像で見ると、ちょっとグロく見えるかも知れませんが、美味しそうなカレールーの出来上がりでございます。
辛さは、5段階の2辛と表示がございます。ルーだけをちょっとなめてみる。2辛なので甘口かなと思いきや、ややピリッとして、香辛料の香りがフワッと上がってくる。ただ、カレー独特のあの香りはそれほど強くございません。あえて抑えているのか? あるいは、フリーズドライの限界なのか? 食後の匂いを気にする人には、かえって好都合かも。盛り付けてみました。
福神漬けの代わりに、きゅうりのキュウちゃんを添えてみました。ご飯にちょいと色が付いているのは、麦が混ざっているから。なんとか、とんかつの衣を崩さずに作れたのではないでしょうか。カレールーはまぁまぁ標準レベル。驚くのが、とんかつのとんかつらしさ! かなり厚めで、十分な肉々しい歯ごたえがございます。脂少な目のヒレっぽい食感でございますが、まぁどこの部位かは不明でございます。
全ての行程で、5分もかかっておりません。「フリーズドライでお気軽にカツカレー」と思いきや、実はあまりそうでも無いのでございます。まずね、ルーを溶かすための容器が別にいる。つまり、洗い物が倍に増えるのでございます。レンジで作れるレトルトカレーなら、お皿ひとつで事足りる。わざわざフリーズドライを選択する理由が見つからないのでございます。
そして、値段。とんかつカレー2個入りで、税込¥1,300。1個¥650でございます。しかも、ご飯は自分で用意。コンビニのカツカレーが¥500弱で変える事を考えると、ますます、フリーズドライを選ぶ理由が見つからない。