店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
何十年も前、ワタクシがまだ幼い子供だった頃のお話でございます。母親が市場へ買い出しに行く際には、よくワタクシも付いていったものでございます。公営市場というの、分かりますでしょうか? 八百屋や魚屋や惣菜屋、その他諸々の商店が狭い通路を挟んで向かい合い、夕方となれば買い物客でひしめき合っていたものでございます。
当時は、籐(とう)で編んだ買い物カゴが主婦の定番でございました。各商店で買った物を、次々とその買い物カゴへ入れていくのでございます。商品のほとんどは、パッケージされず裸で陳列されておりました。野菜などは裸のままカゴへ。魚は薄手のビニール袋に入れて輪ゴムで止める程度、たくあんは、まだ糠(ぬか)のついたものを新聞紙にくるんだだけで、やはりカゴの中へ無雑作に放り込んでおりました。
当時の市場というか、当時の八百屋・魚屋・惣菜屋...というのは、ほぼ全て、「裸で陳列」「量り売り」というのが基本。パッケージして並べるという概念は無かったのでございます。そしてその食材を包むのに大活躍したのが、油紙、緑色のわら半紙、新聞紙といったもの。驚くなかれ、卵も山積みで陳列され、紙袋に入れてもらったのを大事に持ち帰ったものでございます。
さて、マクラが長くなりましたが、今日のお話は「軽減税率」について。な~んか、ややこしいルールの軽減税率が実施されようとしてますが、ワタクシ、悪い予感しかしないのでございます。そこで、「名古屋薫が考えた軽減税率!」をご紹介いたしましょう! エッヘン!、始まり、始まり~。
まずね、8%と10%の2本立てになるそうですが、これ、多くのレジが対応してないのでは? 「課税か非課税か?」ということなら、まぁたいていのレジが想定の範囲内。けれど、2種類の税率を使い分けるっての、レジのメーカーも大騒ぎ、それを操作する人も大騒ぎ。もうね、売り場が混乱する情景しか想像出来ないのでございます。
ここは潔く、「10%か非課税」、この両極端で行きましょう。これなら、今までの操作と変わらない、レジの設定変更も最小限で済む。そして、この後にお話しすることに関連してくるのでございますが、課税/非課税の差がある程度大きい方が、その恩恵を受ける人に有利に働くのでございます。
で、今、話題になっているのが、課税/非課税の区別。特に、「外食なら10%」「テイクアウトなら8%」というの。これはヤバイ! 実にヤバイ! 全く同じ商品が、その扱われ方によって2種類のモードを持ち、その判断をするのは人間。こういう「モードを持つ商品」っての、販売ではかなり気を遣うし間違いも起こりやすいのでございます。
コンビニでしたら、「店内飲食用に販売したものには目印のシールを貼る」なんて対応策が考えられますね。店内飲食とテイクアウトとで、明らかに容器が違う業種であれば、それほどトラブルは起きないかもしれません。しかし、根本的に、同じ商品を「その用途」で区別するというの、これは危険なのでございます。
では、どうするか? ここからがワタクシの提案。用途ではなく、「パッケージ」そのもので区別するのでございます。「裸で陳列され、簡易包装で提供される物は、全て非課税」「大量生産的に最初からパッケージングされ並べられているものは、全て10%」という区別でございます。
そう、昔の「量り売り」を復活させるのでございます。これの第一の目的は、コンビニや大型店に客を取られている街の小さな小売店への保護でございます。そこで、税率の幅が重要になってくる。街の小売店なら10%も値段が違うとなれば、多くの主婦が飛びつくはず。また、簡易包装が苦手な人は、消費税を払ってコンビニやスーパーで買えばいい。
これは、別にスーパーが「簡易包装の量り売り」を実施しても構わない。その場合、売り場を無人には出来ませんので、店員を新たに雇うことになる。雇用が発生するのでございます。そして、スーパーが簡易包装を進めれば、プラスチックゴミの軽減にもつながる! 良いこと尽くめでございます。
醤油とかも、量り売り。そう、容器持参で、売り場で注いでもらうのでございます。世の中「リサイクル」とうるさいですが、回収したゴミを分別・再生して新たなものを作り出すとか、まどろっこしいし無駄も多い。自宅で使っていた容器を、洗って売り場に持って行く。これこそ、究極理想のリサイクルでございます!