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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-09-10 【学術的には”普通”は美徳ではない】

NHKで、こんなニュースを見つけました。

ある高校で、生徒の制服代の負担を軽くしようという試みが行われたそうでございます。中間業者を排除し、ネットから生徒が直接メーカーに発注できるようにすることで、制服の代金を1万円ほど下げることが出来るそうでございます。

この件で、先生方が会議をしている様子が放送されたのでございます。先生方、何を揉めているかと言いますと、通常よりも短いスカートなど、生徒が勝手なデザインで発注出来ることにどう対処するかで揉めているのでございます。

これを見ててね、もう、ほんと、ワタクシ、呆れた。ま~だ、こんな、時代遅れの議論をしているのかと。世の中、やれLGBTだ、やれ多様性だ、やれみんな違ってていいなんて言いながら、現場の先生方はスカートの長さ厳格に決めようという考えに固執している。あぁ、なんていう矛盾!

どうして、生徒の個性を尊重しようとしないのでしょうねぇ。生徒が自分の好きな様に発注し、それを着るのは生徒自身。生徒の自己責任でございます。「服装の乱れは不良の始まり」なんて思っているのでしょうか? でも個性と乱れは別物。制服でも私服でも、乱れる人は何を着ても乱れるのでございます。

そこで、ワタクシが以前申し上げた「ムラ的共同体」「NEO共同体」の話に立ち返るのでございます。相変わらず、「みんなで同じ価値観を共有しよう」という考え方に囚われているのでございます。でもね、LGBTとか多様性とかを認めていくのならば、根本的に、先生方のこのムラ的な共同体意識を払拭する必要が有るのでございます。

かつて「ゆとり教育」なるものがございました。あれってね、様々な価値観を受け入れる許容性を持ちましょうとか、常識とは違う考え方をしてみましょうなんていう視野を広げる教育方針なら良かったのですが、なんか単に履修要項を減らすという方向に行っちゃいましたよね。残念でございます。

日本は天才が生まれにくい国だと言われております。それは、幼少期にちょっと変わった子供がいると、徹底的に「普通」に向かって矯正されるからでございます。あるいは発達障害のレッテルを貼られ、その特異な才能を見過ごされてしまうとか。この日本の教育の「普通」への異常なまでの拘り、これを教育界全体が自覚し変えていかなければ、まだまだ日本は多くの若き天才達をお仕着せの制服で固めたまま腐らせ続けてしまうのでございます。

人類の文明進化の度合いがゆっくりだったころは、「死んでから認められる天才」なんて人が多かったものでございます。ですけどね、ここ数十年というもの、人類文明は加速度的に進歩しており、突出した天才のアイデアが、数年で実を結ぶなんてことも少なくないのでございます。ジョブスしかり、サッカーバーグしかりでございます。

ここ数十年、技術的なことで日本が後手後手に回っているのは、幼少期から「普通」を押しつける教育のツケが回ってきたのではないでしょうかねぇ。今の加速度的な進歩の中では、ジックリ型の秀才は埋もれ、ひらめき型の天才が台頭し続けることになるのでございます。日本の教育も、個性・自己責任などを受け入れ、若き小さな天才を見落とさず育てる教育に変わっていってもらいたいですよね。では、では。


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