«前の日記(2018-06-24) 最新 次の日記(2018-06-26)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2018-06-25 【高齢の修理人】

風俗店ってのは、どうしてもエアコンの台数が多くなる。当店も10台ほどエアコンを使ってまして、室外機の置いてある場所はソリャ大騒ぎでございます。お店を18年もやってますと、故障などでエアコンの入れ替えを何度も経験しております。その中でも、オープン当初から使い続けている陸前高田の奇跡の一本松のようなエアコンが有ったのですが、とうとう、その奇跡の松が故障する日が来たのでございます。

電源を入れても、熱風しか出ない。リモコンも本体も「冷房」表示になっておりますが、熱風しか出ない。それも、スゴイ勢いでドライヤーの様にこれでもかと吹き出しております。不思議なのは、数時間そのまま放置しておくといつの間にか直ってる。この気まぐれさに、ここのところ困っておりました。

多分、室外機の冷房と暖房を切り換える「弁」が渋くなっていて、しばらく運転していると、引っかかりが取れて冷房に切り替わるのでございましょう。エアコンの製造を見ると「2002年製」とある。16年前かぁ、こりゃぁ、修理というよりは、入れ替えだなと心を決め、メーカーに電話したのでございます。

やはり、既に部品の保有期間は過ぎているので、修理は難しいとのこと。また、この機種で使っているフロンガスが2020年以降は入手出来なくなるので、もし今回修理出来ても、2020年以降は修理不可能になるとのこと。どう考えても、入れ替え決定でございます。

いやぁ、でも、ワタクシ、このフロンガスの2020年問題、知っておりました。何度もお店のエアコンを修理・入れ替えしてますので、そういう知識は自然に身についちゃうのでございます。現に、4~5年前に入れ替えたエアコンは、既にノンフロンガスの機種でございます。

巷では「フロン詐欺」なるものがチラホラ出没しているそうでございます。2020年から古いエアコンは使えなくなるからと、入れ替えやインチキ修理を迫る詐欺の様ですが、みなさん、騙されないようにね。壊れなければ古くったって使い続けてOK。ガスを入れ替えるなんてのはインチキですよ。

話をお店のエアコンに戻しましょう。最初から「入れ替えありき」で動いて欲しいと申し出たのですが、窓口のおねぇさん、部所がどうのとか気まずそうな雰囲気。何やら、まず「修理部」が見て、そこから「商品部」へ発注を回すという手順の方が、スムーズに行くとのこと。

まぁ、こういう順番、飛ばすといろいろ有るのでしょう。取りあえず、エアコンはまだ騙し騙し使える状態、特に急ぐことはございません。電話の向こうのおねぇさんの喜ぶ顔を想像したいので、順番通りに「修理部」の方に来て貰うことにいたしました。

で、修理の方がいらっしゃる。これがまた高齢の方。でも、手際は良い。何やらリモコンに秘密の暗号を打ち込むと、エアコン本体のランプが点滅している。高齢の修理人、その点滅の回数を静かに数える。数え終わると、「こりゃ、まずいなぁ」と何かを了解したようなひと言。エアコンと話が出来る高齢の修理人、餅は餅屋でございますねぇ。

高齢の修理人、室外機に行きまして、キュルキュルキュルと電動ドライバーでビスを数個外す。高齢なのに身軽な動き、狭いベランダを縦横無尽に動いております。サイドパネルが外れ、パイプの取り付け部が露出する。修理人、その取り付け部をおもむろに手のひらで包み込み、温度を確かめる。そして、「よし、分かったぁ!」とのひと言。

冷房と暖房を切り換える弁が、引っかかって動きにくくなっているとのこと。いや、それなら、ワタクシ、修理を呼ぶ前から予想してましたが、まぁ、そこは高齢の修理人の顔を立て、「あぁ、そうだったんですかぁ、さすがですねぇ」と賞賛のひと言。

まぁ、分かっていた原因ですが、それを確実に確認するという手順、これが重要なのでしょうね。人間というのは、思い込む動物。どこに「思い込み」が潜んでいるかも知れません。手順を飛ばして確認を怠ったために、その後に二度手間になる可能性もございます。高齢の修理人は、その後の修理の流れを決定する、水先案内人だったのでございます!

と、まぁ、大袈裟に書いておりますが、発注者が「入れ替えでいい」と言ってるのだから、修理部は飛ばして欲しかったなぁ。でも、高齢の修理人に会えたから、いいかな。高齢の修理人、15分ほどで作業を終え、iPadを操作して手際よく書類を作成。その作業中にも他の現場から何本もの電話が入ってくる。忙しい時期なのでしょうねぇ。頑張れ! 高齢の修理人!


«前の日記(2018-06-24) 最新 次の日記(2018-06-26)» 編集