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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-03-17 【チャレンジを導入とまでは申しませんけど】

本日(土曜日)の大相撲を見ていらっしゃった方、むすびの一番で「オヤッ?」と思われた事でしょう。ワタクシも、「オヤッ? アレッ? どうしてッ?」でございました。まぁ、ご覧になっていなかった方にも、分かりやすくご説明いたしましょう。

むすびの一番の取組は、横綱「鶴竜」と「貴景勝」の組み合わせ。鶴竜が危なげながらも貴景勝を土俵際に追い詰め、あと一押しというところで鶴竜の左足が俵を力強く踏んだのでございます。その瞬間、俵の外側で土俵外側の砂が一瞬飛び散る。それを、テレビカメラははっきりと映しておりました。

その後、鶴竜が貴景勝を押しだし、行司軍配は鶴竜に上がったのですが、鶴竜の左足の件で物言いが付く。3分にも及ぶ協議の末、「行司軍配どおり鶴竜の勝ち」という判定が下る。ところが、ところが、アナウンサー始めテレビを見ていた人は、明らかに鶴竜の左足が土俵外側の砂を払ったと思っておりますので、日本中が「アレッ?」と思ったわけでございます。

こういった時のネットの駆動力はスゴイ! 相撲中継を録画していた人が、問題の左足の超アップ画像、スローモーション映像などを次々と作り上げ、ネットにアップロードいたしました。その検証映像を巡って、喧々囂々(けんけんごうごう)の大騒ぎでございます。

その結果、「砂は立ち上がったが、鶴竜の左足親指は浮いていた」というのが大多数の結論。多分、鶴竜が俵を踏んだ時に、その圧力で俵際の砂が吹き飛んだのではないかということでございました。三役格行司の式守勘太夫、土俵際の砂をしかと確認しての采配。アッパレと言わざるを得ないでしょう。

この騒ぎ、騒ぎに拍車をかけた原因がひとつございます。それは、勝負審判の説明。これが、いつもたどたどしくて言葉足らず。聞いていてヒヤヒヤするのでございます。この件でも「鶴竜の親指の審議」としか言わないので、「え? 砂はどうなった?」と日本中が騒いじゃったのでございます。

物言いでの審議では、ビデオ係からの連絡を受けて判断を下します。この件では、「砂が立ち上がった」というのは非常に重要な要素。場内説明では、絶対に省略してはいけない事項でございます。ビデオ係からの連絡を受け審判団が協議をしている中、協議の「過程」の重要さを忘れ、「結論」だけの説明になっちゃっております。

この物言いでの協議、ビデオ係からの連絡が音声だけというの、問題でしょ。他のスポーツでやっているように、審判団がタブレットでビデオ画像を直接確認するべきでございます。出来れば、大型画面で場内にも見せられればベスト。連日満員御礼の大盛況なのですから、大型画面、設置しましょうよ。

さらに、技術革新の進んでいる昨今、導入がタブレットだけというのはあまりにも貧弱。ここは、相撲協会とNHKが一致団結いたしまして、映像解析の最先端技術を駆使していただきたいものでございます。

まずは、土俵をぐるりと複数台のカメラで囲む。理論的には3台のカメラでも大丈夫そうですが、ここは8台くらいのカメラは欲しい。テニスのビデオ判定では、10台のカメラが使われております。足の親指を判定するとなれば、8~10台くらいは必要でしょ。

さらに、細部を拡大するということを考えると、NHKご自慢の4Kスーパーハイビジョンくらいは導入していただきたい。4Kのビデオカメラが10台、いったい総額いくらになるのか恐ろしくなりますが、そこは天下のNHK、資財をフルに活用していただきたいのでございます(まぁ、技術的には台数が増えると1台ごとの解像度は低くても大丈夫なのかも知れませんけどね)。

このシステムが入りますと、取組映像のある瞬間を止めまして、その静止画を縦横に360度グルングルンと回して見ることが出来るのでございます。映画『マトリックス』でお馴染みの、あのシーンでございます。そして、例えば、左足の親指部分だけを超拡大するなんてことも、出来るでしょう。

ひとつ、大きな問題は、大相撲の「死に体」「かばい手」「かばい足」という曖昧なルールの存在。このルールの判断は、完全に行司や審判の主観に任されているのでございます。ビデオ判定という「客観」と、このルールの「主観」とを、どう両立させていくか? こうなると、審判部長のいつもの言葉足らずの説明が、ますます心配になってくるのでございます。

ということで、伝統ある大相撲へ最新式のビデオ判定技術を取り入れられないかというお話でございました。まぁ、今は、ネットに詳細な検証映像が上がり、それで喧々囂々となるのもひとつの楽しみではございますけどね。では、では。


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