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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-03-18 【今いる場所が”現場”になる時代】

中日新聞の日曜版のテーマが「VR(バーチャルリアリティ)」でございました。ヘッドマウントディスプレイというメガネ型のディスプレイで目を覆い、耳にはイヤホン。視覚と聴覚で疑似体験する技術でございます。

メガネ型の装置は古くからございますが、従来のものは画像が固定。頭がどちらを向いていても画像に変化はございません。「VR」の特徴は、頭の向きを感知し、その向きに同期して画像もグルングルンと向きを変えることでございます。

さて、VRの説明はこのへんにしておきまして、本題に入りましょうか。パラリンピックが幕を閉じたのでございます。選手が障害者なのは当然として、観戦に行かれた方々の中にも、やはり障害者の方は多くいらっしゃったようでございます。

仮設の会場が多く、障害者の方が観戦するには不便な部分がいくらか有ったと報告されております。また、どうしても空席が目立ったとのこと。そして、この反省が、2年後の東京にそのまま跳ね返ってくるわけでございますね。

そこで、ワタクシ、問題発言をいたしますよ! 心して、いや、覚悟して聞いて下さいませ! 「障害者の方が、会場の”現地”へ赴く必要が、本当に有るのか!」ということでございます。会場の雰囲気や音が疑似体験出来れば、わざわざ会場まで足を運ぶ必要は無いのでは?

そこで、冒頭のバーチャルリアリティでございます。会場の特等席にカメラを設置しまして、それを離れたところから疑似体験でございます。こうしますと、バリアフリーへの設備投資はかなり少なめで大丈夫。寝たきりの人なら、自宅で観戦することも可能でございます。

ここいらで、「バリアフリー」というものを考え直してみませんか?

鉄道・地下鉄・飛行機・船といった交通機関の場合は、障害者本人が乗れなければ意味がありませんから、バリアフリーは重要でございます。でも、スポーツ会場のような「疑似体験」さえ出来ればいい場所ならどうでしょう? 乱暴な言い方になりますが、「障害者の方に、ある程度、割り切っていただくこと」で、疑似体験によるバリアフリーは導入出来るのでございます。

ここで心配なのは、やはり、「閉め出された」「隔離された」という感情を障害者の方が持つかもということでございます。ここは、隔離されたとは考えずに、「優先的に使える」と考えていただきたいものでございます。基本的に全ての人が利用できるようなシステムにしておいて、障害者の方は優先で使えますよという形にするのでございます。

名古屋城の木造再建でも、バリアフリーで揉めちゃいました。あれだって、完全に昔の建築物を再現するって話なのに、エレベータを作れとか興ざめな話が持ち上がっちゃった。あれなんかでもね、「行く」ことを譲歩していただいて「体験で十分」と割り切っていただければ、バーチャルリアリティで解決するのでございます。

もっと言えば、NHKがVRとして「データ放送」出来れば、世界中の人が疑似体験出来ちゃう(ウホッ、壮大!)。まぁ、放送法とかオリンピックの放送権とか有りますから、これはそう簡単には実現しないでしょうけどね。でも、夢がありませんか? これ?

最後に、今のバーチャルリアリティは、音に問題が有るのですよね。頭の向きに合わせて「音の来た方向」をリアルタイムで変えるというのが難しい。ゲームでそれが出来ちゃうのは、全ての単独音を別々に管理しているから。周り全部の音が混ざって聞こえてくる実際の環境音では、何かしらの工夫をしないと、頭の向きに合わせて変化させるのは難しいのでございます。

ということで、ゲームの世界で相当な発達を見せているバーチャルリアリティ、現実の世界のバリアフリーに使えないかなぁというお話でした。では、では。


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