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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-01-29 【ズケズケっと種をまいておくと、後から芽が出ることも】

お店終わった後に、ふとテレビをつけましたら、レーサーの佐藤琢磨さんが出演しておりまして、ついつい、最後まで見ちゃったのでございます。狭いスタジオ内で、カートの過激な運転を披露しておりました。

佐藤琢磨さんのその運転技術にも驚きましたが、琢磨さんがちょっとアドバイスしただけで、進行役の相葉雅紀さんまでもが琢磨さん張りの運転技術に。やはり、芸能人ってのは器用な人が多いのでございます。

佐藤琢磨さんの運転で思ったのは、ハンドルさばきもアクセルも、自信を持って思いっきり操作していること。「ここまでは大丈夫」「これ以上やると滑る」という限界点を熟知しているから出来る操作。一般の人はわざとスピンさせるとかやりませんから、その限界点も分からず、全ての操作が控えめになってしまうのでしょう。

先日の大雪の日、街中で多くの車が立ち往生する羽目に陥ったのでございます。ワタクシなんかは「何でそんな日に、わざわざ車で出かけるかなぁ」と呆れておりましたが、あれも、自車の装備の「限界点」が分かっていないために、見切り発車的に車で出ちゃうのでしょうねぇ。

「備え」というのは、常にその「限界点」が分かっているかどうかが重要なのでございます。「何ミリ以上の雨で道に水が溢れ出すか」とか、「鉄道がどのくらい遅れると、駅が人で飽和してしまうか」とか、限界点が分かっていれば、その限界の前に手を打つことが出来るのでございます。

本日のニュースより、あの福島第一原発は、すでに2002年に、津波を想定したシミュレーションを要請されていたそうでございます。2011年の大震災の9年も前でございます。たとえ強引にでもそのシミュレーションがされていたらと思うと、全く不運としか申せません。

その結果、あの原発は津波に対する「限界点」が露(あら)わにされることもなく、2011年を迎えてしまったのでございます。低い限界点は、時として「欠点」と同義となってしまいます。どんな物にも欠点はございます。重要なのは、その欠点が「露わになっているか、隠そうとされているか」なのでございます。

低い限界点は「欠点」と称されてしまいますので、人はよくそれを隠したがったり、あえて見ないようにしたりするものでございます。欠点は欠点なりに限界点まで使って有効利用するべきなのですが、その限界点が分からないと、人は自分の「長所」に頼るようになるのでございます。

すると、欠点を放置したまま、長所だけで強引に事を運ぼうとする。欠点は何の対処もされず残っておりますから、その強引さが「悪目立ち」になったり、あるいは「傲慢」と感じられるかもしれない。ある程度うまく行っても、欠点が露呈したときに、(原発の様に)今までの努力が水泡に帰することもある。

ロールプレイングゲームをやると、各キャラクターごとに細かい設定がございますよね。攻撃力の強いキャラ、防護向けのキャラ、治療に特化したキャラとか。人の限界点もあれと同じ。キャラごとに、高い限界点と低い限界点がそれぞれ有って、それが各キャラの「個性」となっている。

「己を知る」という語がございます。それは、ゲームで各キャラの設定を知るのと同じ。自分の中の各要素の限界点を注目する作業でございます。重ねて申しますが、重要なのは、その限界点を露わにすること。長所も短所も同じように限界点を露わにし、対面することでございます。

ワタクシは、従業員の欠点をズケズケと指摘することがございます。それで、従業員から嫌われたり恨まれたりなんてことも希にございます(笑)。でもね、自分の欠点を自分で見られないという人は、必ず壁にぶつかる。壁にぶつかったとき、ワタクシの言葉をホンノリと思い出してくれればなぁくらいの想いで、まぁ、わざとズケズケ言うのですけどね。長くなりましたので、今日はこの辺で。では、では。


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