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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-01-10 【給料は世につれ、世は給料につれ?】

昨日、お店の給与システムの変更のお話をいたしました。うちの様なお店のお給料の仕組み、興味津々な方も多いのではないでしょうか? 細かい数字を挙げることは出来ませんが、この17年間でどの様に変化してきたかはお話しできるのでございます。ということで、始めてみましょう。

オープン当初と言いますと、もう17年前でございます。その時の給与システムは、正に「年功序列」方式。新人で入店して来たときが最低額。半年ごとに少しずつ上がっていき、4~5年程で最高額になるという感じでございました。かつてのニューハーフ業界というのは、先輩・後輩のはっきりした封建社会(笑)でしたから、まぁみんなこれで納得しておりました。

その後に導入したのは、出勤率を元にしたランク制。出勤率の多さで10段階のランクを決め、そのランクに従って毎月のお給料が変化するというシステムでございました。稼ぎたい人はガムシャラに毎日の様に出勤し、お給料が割安でもいいからお休みが欲しいという人はノンビリ出勤しておりました。

このランク制の導入に至ったのは、ニューハーフ業界の封建社会が消滅し始めた時期でございますね。ニューハーフ業界とは縁のない一般の女装者さんなどが入店してくると、先輩・後輩という意識がどんどん薄くなってまいります。そうなりますと、新人のお給料が最低額というのは、実に不合理になって来るわけでございます。

そこで、新人さんでも頑張れば最高額が貰えるようなシステムとして、ランク制の導入でございます。これは、新人さんを勧誘する謳い文句でもございました。このあたりから、飲食店経験のプロニューハーフさんの入店が減り、一般のアマチュアさんの入店が増えてきた時期でもございます。

このランク制は、少しでも多く出勤してもらおう、安定して出勤してもらおうという、お店の狙いも有ったのでございます。ランクが下がることを気にして、不用意なお休みは少なくなるだろうという考えでございます。ところが、この市場効果が効かない人達が増えて来るのでございます。

世は流れ、お仕事・収入よりもプライベートを重要視する人が増えてまいります。すると、もうランクなんか気にしません。お店からすると、まぁ悪い言葉になりますが、「ランクで釣る」ということが出来なくなるのでございます。そこで、また新しいシステムの導入でございます。

次のシステムが、「全員一律」の金額。全員が同じ条件でほぼ満額の給料を初日から貰えるというシステムでございます。このシステムの前は「研修期間」というお給料が少し安くなる時期も設けておりましたが、それも廃止。厚生労働省が進める「同一労働、同一賃金」的なシステムでございますね。

かつてのニューハーフヘルスは、新人さんのほぼ全てがニューハーフの飲食店経験者でございました。しかし今や、巷に、女装子さん、男の娘さんなどが増え、価値観も多様。その様な方々の入店が増えてまいりますと、何かしらで区別化するというのは、非合理的になってくるのでございますね。結局、同じ事をやっているのなら同じ給料という形に落ち着いたのでございます。

さて、当店の場合、この大きな三段階の流れがございました。と言いますか、ニューハーフ、女装、男の娘といったものがここ数十年であまりにも大きく進化していて、お店も変化せざるを得なかったと言うべきでしょうか。もうね、年取ると時代の変化に追いつくの、大変なんですから(>_<)


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