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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-01-09 【当て舵、見越しの舵なんて語もあるそうでございます】

貸衣装の「はれのひ」事件、もう最悪! 成人式当日にトンズラとか、悪質すぎる。しかも、自分のところの衣装を引き上げるだけならまだしも、顧客から預かっている振り袖まで持っていってしまうとか、いったいどういう神経なのでしょうか?! プン、プン!

旅行代理店の「てるみくらぶ」の破産の時も、多くの方がすでに前金を入れた後で大変な騒ぎになりました。旅行中に泊まるホテルがなくなるという悲惨な方もいらっしゃったとか。この事件もやはり、かなり前から「前金」を要求しての破綻。前金で補填し続けるという自転車操業だったのでしょう。

ワタクシ、東京でお部屋の賃貸契約をする際、不動産屋に騙されそうになったことがございます。敷金、礼金、手数料などの計算で、合計額がかなり盛られていたのでございます。その物件、違う不動産屋がお部屋の鍵を持っていて、鍵を貰いに出向いたときに計算違いが発覚。危うく、ボラれるところでございました。

その騙そうとした不動産屋は、その後、1ヶ月ほどで閉店しておりました。ギリギリの自転車操業の時にワタクシが契約しようとしたのでございましょう。もう店じまいを覚悟の上での店舗がらみの騙しなのか、あるいは店じまいを予測した従業員が最後に小遣い稼ぎをしようとしたのかは分かりません。この経験を機に、ワタクシは不動産業に若干の不信感を持っているのでございます。

文字通り、自転車操業ってのは、「止まると倒れてしまう」という状況でございます。入ってきたお金を取って出しで支払いに回していくという状況。経営者としては、カミソリの刃の上を歩いているような心境でございましょう。本当は、そうなる前に手を打つべきだったのでしょうけどね。

商売というもの、何かしらの手を打っても、その結果が出るには数ヶ月とか1年とかかかるのでございます。組織の体質や給与システムを変更しようなんてことになったら、もう何年もかかります。体質や給与というのは、人の心が関わってまいりますからね。理解してもらい、受け入れてもらい、新しいやり方が定着するまで待つ。時間がかかるのでございます。

経営というのは、大きな船の操舵みたいなものでしょうか。舵を切ってもすぐには曲がらない。加速も減速も、やはり遅れて効果が現れる。いかに早く予兆を察して、早め早めに対策を打ち、その効果が現れるのを忍耐強く待ち、その間も新たな予兆を敏感に察知して未来を展望する。先を読み、早めの対処がキモなのでございます。

当店はオープン当初、VIPルームは追加料金をもらっておりませんでした。5年目くらいの時でしょうか、そのVIPルームを有料化するにあたり、半年前からアナウンスし、VIPルーム常連のお客様にはその間クーポン券を配りまくるという対応をいたしました。結局、VIPルームの有料化を定着させるのに1年くらいかけております。

あるいは、当店のコンパニオンへのギャラの計算システムは、時代の流れに伴い、今までに何度か大きな変革を経験しております。この際も、十分な予告期間を取り、理由を十分に理解してもらい、かつ、古いシステムと新しいシステムが混在する「ダブルスタンダード」も辞さないという構えでやって来たのでございます。給与に関わるというのは、それをもらう人の心に関わるという事。どうしても数年がかりになるのでございます。

ギリギリまで自転車操業をして、破産してしまう企業、早めに大鉈(おおなた)を振るうチャンスを失ってしまったのかも知れませんね。船が針路を外した時間が長ければ、そこから復帰するにはまた同様の長い時間がかかるものでございます。小さな舵をチョコチョコ切り続けていて、船首が大きく逸れていることに気づかなかったのかも知れませんね。でも、「明日は我が身」と考え、自分への戒めともいたしましょう。

余談ですが、ワタクシは成人式には行っておりません。当時、ボチボチ女装をしてましたし、そもそも、男と女、どちらの格好で行くにも、洋服がございませんでした(笑)。大学受験の浪人中ということもありまして、何か気持ちも沈んでおりまして、成人式はスルー。う~ん、振り袖、着たかったなぁ。


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