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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-12-28 【どっちも大事】

ポチ袋と鏡餅を購入するのに、ちょいと苦戦しております。というのも、こういった正月商品を扱わないコンビニがチラホラ有るからでございます。つとめて置こうとしないのは、やはり売れないからでしょうか。クリスマス装飾も減ってきているそうですし、お正月の恒例行事も、あまり行われなくなってきているのでしょうか?

よく日本を自慢する時、「日本には四季があるから」と言ってしまいますが、これは諸外国には失礼なお話。外国にも四季はちゃんとありますからね。ただ、日本人独特の季節感というものはございます。「はしり」「旬」「なごり」と呼ばれるものでございます。

季節に応じて生活を変えるというのが、欧米の合理的な季節感でございます。ところが、日本人てのは、実に面倒くさい季節感を味わおうとするのでございますよね。先取りした希少品を「粋(いき)」と感じ、残り物にノスタルジーを感じる。「はしり」や「なごり」を考慮すると、日本には12の季節が有ると言えるかも知れません。

で、面倒くさい季節感と申しましたが、面倒くさい物を面倒くさくないように工夫するのは「文明」でございます。そして逆に、面倒くさい物をそのまま面倒くさいまま熟成するのが「文化」でございます(ちょっとややこしい言い回し、ゴメンナサイ)。

以前、堀江貴文氏が、「何年も寿司職人の修行をするなんて無駄、寿司は3ヶ月の研修で握れるようになる」と豪語して話題になったことがございます。あれなんかは、寿司を文明的一面からしか見ていないのでしょうね。寿司には、文化的一面もあるのでございます。

寿司の文化的一面というのは、季節感に他なりません。先ほどの「はしり」「旬」「なごり」を感じながら、それを寿司を通して具現化するという職人技。ワタクシ、以前より日本には「道(どう)」の考え方があると申しておりますが、これも「寿司道」なのでございましょう。精神世界の表現なのでございます。

低価格で大量消費を賄おうとすれば、寿司の文明的一面が重要でしょう。でも、精神世界の表現となりますと、長い修行を経ての文化的一面の会得が必須なのでございます。文明と文化、どちらも必要ということでございます。

正月飾り・正月行事を面倒くさい文化と感じて、行わない人が増えているのでしょうか? ITと呼ばれる文明が世の中を席巻しておりますが、文明と文化、どちらも大事にしたいですよね。では、では。


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