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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-10-06 【風俗嬢進化論】

昨日は、「リーダーの仕事は、メンバーの顔を同じ方向に向ける事」と書きましたら、何通か感想のメールを頂きました。ありがとうございます。ちょうと今日はサッカーの試合がございまして、「サッカーの監督さんのお仕事もそんな感じかな」なんて思いながら観戦しておりました。

サッカーでも、まぁプロ野球なんかでも、選手というのはおのおの「哲学」を持っております。サッカー哲学、野球哲学といったものでしょうか。戦術とか体の鍛え方、試合に臨む精神とか、メンバー全員がバラバラの哲学を持っているわけで、まとめる監督さんは大変でしょうねぇ。それでなくても、個性の強い人達ばかりですからねぇ。

さて、お水や風俗でも、そこに従事するコンパニオンはおのおの哲学を持つようになるのでございます。今日は、そんなお話。人間に幼少期・思春期・成人といった過程があるように、お水・風俗で働き始めたコンパニオンにも、そのような成長の過程がございます。順を追って、ご説明いたしましょ。

お水や風俗を初めたばかりの頃、人間でいうと幼少期の頃、この時期は、右も左もまったく分かりません。先輩やママのアドバイスを、ただ忠実に実行しようとする時期でございます。慣れない仕事、やるべき事を毎日こなすだけで精一杯の日々が続くのでございます。

この時期は、まだお店とコンパニオンの信頼関係が出来ておりません。新人コンパニオンは、恐る恐るお店の信頼度を計ろうといたします。またお店側も、甘やかさないように気をつけつつ信頼関係が生まれるのを根気よく待つ事になるのでございます。

半年くらい経ちますと、お仕事も十分に慣れてくる。そして、コンパニオンの思春期を迎えます。仕事に余裕が出てきた分、仕事のオモテもウラも見えてくるようになるのでございます。また、他の人と比較が出来る様になり、欲も出てくる。さらに、様々な誘惑に晒されるのも、この時期でございます。

そう、「自我」の誕生でございます。「自分の商売はこうやりたい」という哲学が生まれるのでございます。世の中のオモテとウラとか、人と比較とか、誘惑が多いとか、人間の思春期とほぼ同じ。悩ましい時期なのでございます。いろいろ秘密が生まれるのも、この時期でございます。

秘密とは何ざんしょ? ここに、お水や風俗が一般のお仕事とは違う特殊性がございます。コンパニオンというのは、一人一人が独立自営業のようなもの。そこに、お店とお客様が登場する。この三者の駆け引きの中で成り立っているお商売が、水商売・風俗というものなのでございます。

駆け引きの世界ですので、秘密も生まれます。人間の思春期でも「親に言えない秘密」とか出来ますでしょ。まぁ、それと同じ。本人に魅力も出てきて、誘惑も増える。反抗心も湧く。心が大きく揺れる時期でございます。揺れたあげく、この世界の暗黒面に落ちていく人も、少ないですが時々おります。

思春期の子供に親がしてやれること、限られてますよね。このお仕事でも同じ。思春期のコンパニオンには、お店としてはただ見守るだけ。ただ、信頼関係が無くなることだけは要注意でございます。信頼関係が無くなると、糸の切れた風船のように、もうコントロール不可能なのでございます。

さてさて、話も佳境に入って参りました。この思春期を超えた先には、「成人」がございます。お仕事のオモテ・ウラを飲み込んだ上で、自分の商売哲学が確立し、自分のポジションを見つけるわけでございます。「甘いも酸いも」とか「清濁併せのむ」とかが出来る様になるのでございます。

この時期になりますと、もちろん信頼関係もございますが、それ以上に、「契約」ですとか「政治的配慮」とか、ちょっと前に話題になった「忖度」なんてものが幅をきかせてまいります。いやぁ、大人の世界でございますねぇ。人間の成長過程が、お水や風俗のお仕事での成長にそのまま現れる、面白いのでございます。

まぁ、これにピッタリ当てはまる人もいれば、ちょっと違う過程を歩む人もいる。人それぞれ、個性がありますからね。どんな過程を歩むにせよ、コンパニオンが綺麗になっていったりレベルアップしたりするのは嬉しいものでございます。では、では。


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