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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-08-29 【記憶、それは深遠な宇宙】

足の小指をぶつけると、何であんなに痛いんでしょうねぇ。それを、昨日の夜にやっちゃいました。ベッドの角にしこたまぶつけまして、叫びながら転がり回るような痛さ。ただ、この時、ちょっと痛みが激しすぎるような気がしたのですよね。

今日の朝も、まだかなり痛む小指。やや心配になるワタクシ。普通、足の小指をぶつけても、痛みが次の日まで続くようなことはない。ワタクシ、骨にヒビでも入ってるんじゃないかと心配したのでございます。

そして、夜、恐る恐る足の小指を触ってみたのでございます。痛みはかなり和らいでいるが、触るとやはり痛い。優しく小指をつかみ、ゆっくり関節の動く方に動かしてみたのでございます。すると、その動きでは全く痛みは感じない。ここで、ひと安心、骨は無事のようでございます。

小指の爪がやや赤黒くなっているのを見つけ、爪の下で内出血か何かしているのだろうというのが、素人の最終診断でございます。左足の小指ということで、大きなお腹が邪魔をして、しっかり目視出来なかったので爪の変色に気づかなかったのでしょうね。

ワタクシが「骨にヒビ」を疑ったのは、そのヒビが入ったときの痛さを経験しているからでございます。小学二年生の夏には左手の親指を。人混みの中で、グキッとなっただけでヒビが入りました。その翌年は、ガレージの鉄製の扉に左足を挟まれ、やはりヒビが。

さらに怪我は続きます。その翌年は、プールで転び、右足を負傷。ただ、この怪我が何とも不思議。まったく外傷は無いのに、激しく痛む。「これも骨か」と慌てて病院へ。骨には異常なし。足の親指の爪の下に、うっすらと砂が見えている。どうやら、転んだ際に一瞬爪が浮き上がり、砂が入り込み、そのまま爪が閉じてしまったようでございます。

これは、爪に穴を開けて砂を取り出すという、ちょっとした小手術。鬼医者、最初、麻酔なしでやろうとしたのでございますよ。「爪だから、切っても痛くないし」くらいに思ったのでしょうが、ワタクシは「痛い、痛い」の大連呼。鬼医者、渋々、麻酔を打ってくれました。この時のやり取り、鮮明に覚えております。

小学二年から小学四年にかけての夏休みは、あまりいい思い出がないのでございます。この他にも、今でも傷跡が残っているような怪我をいくつかしておりますしね、子供の頃は怪我の多かったワタクシでございます。

「心の傷は?」と問われますと、心の傷は、大人になってからの方が多いですねぇ。子供の頃は、他人の心を傷つける方が多かったように記憶しております。大人になりまして、そんな子供の頃の思い出が、沈殿物が浮き上がるように思い出されてくるのでございますよね。で、落ち込むと。

太宰治の『人間失格』の冒頭、「恥の多い生涯を送ってきました」とありますが、さしずめワタクシは、「恥の多い幼少期を送ってまいりました」といった感じでございましょうか。まぁ、その幼児体験が、今のワタクシの価値観の多くを育んでいるというわけでございます。ちょいと、複雑な心境。

人間の記憶というのは不思議なもので、「どうしてこんな小さなこと、覚えているのだろう」ということが、フワッと思い出されることがございます。何十年も前の、日常生活の、ほんの一瞬の断片、それが沸き上がってくることがございます。人間の記憶力の不思議さに驚かされる、毎日でございます。では、では。


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