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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-08-28 【ローカルルール】

営業時間が終わると、お店の電気を消したり、カーテンを開けたり、足ふきマットを干したりということをやるわけでございます。お店がそこそこ広いので、一部の片づけをコンパニオンにお願いしております。今日は、それにまつわるお話。

責任者として、すべてが片付いた後に店中を見回すのでございますが、少し前から、ある異変が始まったのでございます。夏の夜の怪奇現象...ドロドロドロドロ~~というわけではございませんが、ある場所の足ふきマットが干されずに残ることがあるのでございます。

その場所には大小の2枚のマットが敷いてあり、時々、小さい方だけ残っている。大きい方はきちんと干されているので、明らかに意図的に小さい方を残しているのでございます。で、それが、毎日ではなく、「時々」なのでございます。単なる「うっかり」なのでしょうか、それとも、何かしらの要因が働いているのか、はたまた怪奇現象か!

さっさと、種明かしをいたしますね。コンパニオンの中に、お店でシャワーを浴びてから帰宅する者がございます。シャワーを浴びるときに足ふきマットが欲しいということで、お店の片づけの際に「小さなマットだけは残す」という慣習が出来上がってしまったのでございます。

もちろんそのコンパニオン、自分が帰宅する前に責任を持ってその小さいマットを干してくれておりました。そのコンパニオンが休みの時は、他のコンパニオンがその事情を知っておりますので、大小両方のマットを干してくれておりました。

何も問題が無いように見えますよね。ただ、ここに新しい要素が加わると、流れが変わるのでございます。当店はここ数ヶ月、新人ラッシュを迎えております。それまでの事情を知らない新人さんが片づけに加わりますと、小さなマットが残されているのを見て、「これは残すんだ」と覚えてしまうのでございます。

シャワーを浴びて帰るコンパニオンが出勤の日や、あるいはそのコンパニオンが休みの日でも複数の人で片づけを行った場合は、大小のマットは両方とも干されることになり、問題なし。問題が発生するのは、事情を知らない新人さんだけで片づけを行ったときでございます。「残す」と覚えておりますから、当然小さいマットだけ残してしまうのでございます。

さて、ワタクシは、こういった「現場だけのルール」「個人で勝手に決めたルール」を『ローカルルール』と言っております。ローカルルールが生まれるのは、お店的にあまり良くないことで、見つけ次第、注意して無くさせております。

なぜいけないか? それは、ローカルルールは増殖していくのでございます。見逃していると、「現場だけのルール」が少しずつ増えていき、いつしや現場ではローカルルールなのか最初からの取り決めなのか分からなくなってしまうのでございます。そして、新人さんのような新しい要素が入ってきたときに、「事故」が起きる。あぁ、嫌な言葉ですねぇ、事故。

ローカルルールの恐いところは、それがきちんと機能している間は、管理者から見えないことでございます。このマットの件も、新人さんが入って来たからこそ発覚したこと。管理者から見えないので、事故を予測できないという怖さがございます。

今回はマットを干すかどうかですので、事故といっても大したこたぁござんせん。が、しかし、もし、戸締まりや、火の始末、水回りなどに関するローカルルールが発生していたら、お店としては一大事。目に見えない時限爆弾を店内に抱えているようなものでございます。どうでしょう、ローカルルールの怖さ、伝わったでしょうか?

ローカルルールを防ぐには、管理者が「抜き打ち」で見に行くというのが効果的。定期的な行動はダメ。管理者の定期的な行動を避けるようにローカルルールは作られるからでございます。そして、重要なルールは文字にして張り出す。明文化することで、ローカルルールがいつの間にか真のルールに昇格するのを防ぐのでございます。

まぁ、小難しいことをいう店主で、申し訳ない。「面倒くさい店主だな」と思われているかも知れませんが、1回の「事故」で店(会社)が無くなるということも有るわけですので、小さなローカルルールとはいえ、つい口うるさく言ってしまうのでございます。自営業の方など、参考になれば幸いでございます。では、では。


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