店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
え~と、また会計を間違えました。ごめんなさい。夕方に「水沢さくら」に入られましたお客さま、割引を適用するのを忘れました。常連のお客様ですので、よく分かっております。次回ご来店時に、今回分も合わせて割り引かせていただきます。すいません。
フロントの会計作業は、ほぼ全てワタクシがやっているのですが、「割引」を時々間違えてしまいますねぇ。コンパニオン限定割引というのが、コンパニオンごとに割引額や期間が違っておりますので、ウカッとしていると忘れたり間違えたりしてしまう。
ちょっと高級なレジスターだったりすると、こういった割引を設定しておくと自動で処理なんてことになるのでしょうが、うちのは、ほんと、最低限の機能しかないやつ。割引などは、その都度、手動でやっているのでございます。
母親がスーパーでみたらし団子を焼いておりましたので、子供の頃はスーパーが遊び場所だというのは、以前、お話しいたしました。その当時の、レジスター、子供ながらにしっかりと覚えておりますよ。今のようなテンキーではなく、50~60個のボタンがビッシリ並んでおりました。そんな多くのボタンを、パートのオバチャンたちが自由自在に操作しているのが、ムチャクチャ魅力的だったのでございます。
そのレジスターの謎が、学生時代に解けたのでございます。アルバイトをした書店が、たまたま旧式の、そのボタンがギッシリ並んだレジスターを使っておりました。ボタンの多さの謎は、金額の各桁ごとに1から9までの9つのボタンがタテに並んでいるからでございます。
1、十、百、千、万と5桁あれば、45個のキーがズラッと並んでいるのでございます。もし商品が¥320なら、百の列の「3」と十の列の「2」を押すことになる。このビッシリ並んだボタンは、押すとそのまま引っ込んだままになりまして、この後「登録」ボタンを押すと、大きなガチャガチャという音とともに加算され、引っ込んだボタンがポンッと戻るわけでございます。
何がすごいかって言うと、このレジスターの特徴は、中で「歯車」が回っていること。そう、昔の手回し式の加算機(これが分かる人、どのくらいいるかなぁ)を、そのままモーター駆動にした構造なのでございます。レシートの印字も、昔のタイプライターみたいな大きな音がするタイプ。もう、このメカニカルな感触がたまらなかったのでございます。
ワタクシが働いている間に、そのレジスターは最新のものに刷新されちゃいました。う~ん、残念。お店の社長さんが亡くなり、息子さんがお店を継いだときに、レジスターも違うメーカーの最新のものに変えちゃったのですよね。
可哀想だったのは、古いレジスターのメンテナンスの人。機械式のレジスターは、小まめにメンテナンスが必要。数ヶ月に一度お店を訪れ、注油や調整をしに来ていたのでございます。で、ある日、お店を訪問すると、レジスターが他社の最新式のものに変わってしまっている。かなり年輩の人でしたが、その時の寂しそうな顔を、今だに覚えております。
「もうそろそろ、買い換えてくれるかな」と思いながら、メンテナンスに通っていたのでしょうか? あるいは「今日も、まだ有りますように」と思いながら恐る恐る来店されていたのでしょうか? 古いものがいつまでも残っていたことを考えると、その会社が最新式のものを扱っていなかったのかも知れません。