店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
バスタオルを乾燥するために、大きな乾燥機を使っております。すぐにフィルターがモッサモサになりますので、紙製のフィルターを定期的に交換いたします。そのついでに、フィルターを押さえているプラ製の網もお掃除いたします。
お店の窓はビルの9階。窓の外へ向かって、その網をフッと拭いてやりますと、フワフワの毛玉たちがフワッと飛び出していいきます。ほんのわずかな陽の光の上昇気流を受けて、その毛玉たちは目の前にしばらく浮かんでとどまってくれます。空中で静止する毛玉たちは、まるでマジックショーの演出の様。
そして、次第に、ゆるやかな風に乗って、ばらばらな方向へ漂っていきます。ほぼ真下にグルグル回りながらゆっくり落ちていくもの。軽いものは、激しく上昇して、あっという間に消えていく。また、風に乗って、大きく旋回しながら、ゆっくりと遠ざかって行く毛玉もございます。
小さな毛玉ですが、漂っていくのを目で追っていくと、意外に遠くの方まで目で追えることに驚かされます。どこかの家の庭に漂着するもの。遠くのマンションのベランダに飛び込んでしまうもの。グルッと大きく回って、戻ってきてしまうもの。毛玉をフッと吹く度に、その毛玉がどんな旅をするかでいつもワクワクさせられます。
久方の光りのどけき春の日に しず心なく花の散るらむ
のどかな春の日に、慌ただしく散っていく桜の花を惜しんだ歌でございます。「しず心(ごころ)」、「静心」と漢字で書けば、意味は明白ですね。「落ち着いた心」という意味。「しず心なく」と否定の語をつけて、落ち着かないとか慌ただしいという意味になります。