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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-04-15 【赤ん坊の時は、みんな上手なのですけどね】

「スマイル0円」なんてキャッチフレーズがございます。サービス業にとって、スマイル、つまり笑顔は、切っても切り離せないものでございます。今日は、そんなスマイルのお話。

お客さまに「見られる」という仕事では、笑顔で接するというのは、基本中の基本。ただこれは、想像以上に重労働なのでございます。いつお客さまが見ているか分からない。ですので、お客さまと同じ場所にいる間は、ずっと笑顔をキープすることになるのでございます。

ワタクシが水商売を始めた頃、もうね、この笑顔をキープするのが大変。閉店時間まぎわになると、顔の筋肉が引きつる毎日でございました。ただね、訓練とは恐ろしいもので、次第に顔の筋肉が発達してくるわけでございます。筋肉が付いてくると、次第に力が必要なくなる。楽になってくるのでございます。

さらに、笑顔をキープしている時間が長いと、筋肉を含め顔全体の構造が、その笑顔に合わせて発達していくのでございます。その結果、何もせずに普通にしている状態で笑顔になってしまうという、「素の笑顔」が作り出されるのでございます。こうなると、接客業はうんと楽になる。好感度が抜群に上がりますからね。

お店を始めて17年、何十人という新人さんを迎えてまいりましたが、最近の新人さんにはある傾向がございます。口角が自然に下がっている新人さんの割合が多いのでございます。普通にしていて口角が下がっていると、それだけで無愛想に見える。こういう人は、努めて笑顔をキープしないと、接客業では苦労するのでございます。

若いのに口角が下がっているという現象、原因をいろいろ考えますに、まず固いものをあまり食べなくなったということが有るかもです。固いものをよく咀嚼(そしゃく)することが少ないと、当然、顔の筋肉が退化していきます。食生活の変化が、顔の筋肉に影響を与えている可能性でございます。

さらに、愛想笑いを嫌う風潮。これは影響ないでしょうか? 最近の風潮として、社交辞令というか挨拶代わりの愛想笑いが面倒くさいという人が増えております。「伊達マスク」なんてものも一部で流行っております。表情を変えなくてもいい生活に甘えている内に、やはり顔の筋肉を退化させているのかも知れません。

その風潮のせいでしょうか、リアルな人づきあいを嫌う人も増えております。顔の見えないネットでの人づきあいなら、愛想笑いも必要ない。ネットによるコミュニケーションは、確かに手軽で便利ではございます。しかし、人と顔を合わせたときの「ときめき」のようなものは皆無。ときめきの無いコミュニケーションを続けていく内に、心を動かさずに人と接する癖が付いているかも知れません。

まぁ、理由はともあれ、普通にしていて口角が下がる顔の人というのは、何かと損をするのでございます。お仕事上でもそうですが、日常生活でも、自然と貧乏くじを引きやすくなる。それで、ますます心を痛め、顔が曇っていくという人がいるかもしれません。

そんなこんなで、口角が下がり気味な新人さんを見つけますと、まずその部分を徹底的に指導いたします。これが、本人にとっては、実に面倒くさい。しかし、これを克服しないと、サービス業では未来はありませんからね。もっとも、”不可を補って余りある可”というアドバンテージを持っている人は、仏頂面でも人気を博したりする例はありますが、これはほんの一部のエリートのみの例。

スマイルってのは、すべてにおいて「潤滑油」として機能いたします。ちょっとしたゴタゴタも、スマイルひとつで片が付くこともございます。逆に、ほんの些細なスマイルが無かったために、小さな歪みが大きなもめ事になることもございます。スマイルは只ですからな、惜しみなく使いましょう。では、では。


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