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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-03-05 【アナログとデジタルの出会う時】

ワタクシの大好きな大好きな「松屋」でのお話。毎度、毎度、食べ物の話題が多くて、すいませんm(_ _)m

吉野家が頑なに券売機を導入しないのは、有名でございます。一方、松屋は券売機を導入しており、その券売機は着々と進化を遂げております。ただ、その券売機を利用して、チャッカリ両替をしようとするヤカラが多かったのでしょう。今では多くの券売機で、その両替対策をしております。

松屋の券売機も例外ではございません。ただ、この防止策が凶悪。1万円札を入れて、何も購入せずに「おつり」ボタンを押すと、いきなり券売機は「中止」モードへ。警告音とともに何も操作ができなくなり、1万円札は券売機の中に喰われたまま。店員が券売機を開け、中の記録を確かめてお札を客に返し、券売機は再起動。この再起動には3分ほどかかるとのこと。

忙しいときにこれが起きたら、店員、発狂するでしょうねぇ。そもそも、なぜ券売機で両替が出来るかと申しますと、1万円札を入れてすぐに「おつり」ボタンを押すと、千円札で戻ってくるからでございます。最新式の自販機などでは、入れた1万円札がそのまま戻るように設計されておりますが、券売機の様なものは、刷新が遅れているのでございましょう。

その凶悪な防止策もさることながら、さらにその凶悪さに拍車をかけているファクターがございます。それをワタクシの失敗談を交えて、お話しいたしましょう。

深夜、お腹を空かせた薫さん、おもむろに松屋へ訪れます。ムムム、なにやら新製品の「親子丼」なるものを発見。それでは、さっそく食べてみましょうか。と、財布を開ける。オヤオヤ、財布の中には1万円札しかありません。お腹がペコペコの薫さん、急いでいたために大きなミスを犯します。

1万円札を入れ、親子丼のボタンをド~ンと押す。ペコペコの薫さん、すかさず「おつり」ボタンを早技プッシュ。自称「松屋プロ客」の薫さん、「この早技を見たか!」とばかりにドヤ顔をする間もなく、けたたましい警告音とともに、画面には大きな「中止」の文字が!!

そう、両替禁止のトラップに、見事はまってしまったのでございます。え? でも、親子丼を購入しましたよね? どうして? ここには、善良な市民をトラップにはめてしまう恐るべき罠が隠されていたのでございます。

親子丼は、新製品売り出し中。その売り出し期間は、大盛りが無料となるのが松屋の常でございます。今回も、親子丼は大盛り無料サービスの真っ最中。と、いうことは、親子丼を選んだ後に、大盛りにするかどうかのボタンがさらに現れたはず。そのボタンを押して初めて、購入完了となるわけでございます。

みなさん、分かりましたね。その「普通/大盛り」ボタンを押す前に、慌てて「おつり」ボタンを押したために、「購入せずに両替された」と券売機に判断されてしまったのでございます。不可抗力とは言え、面倒くさい処理をさせて、松屋の店員さん、ゴメンナサイ。

さて、そこで、薫さん、考えた。なぜ、善良な市民がトラップに落ちるようなことになるのか? 端的に申しますと、「普通/大盛り」ボタンを出している時に「おつり」ボタンが”押せてしまう”というのが、問題なのでございます。

アルゴリズム的に考えれば、「普通/大盛り」の選択中は「おつり」ボタンは押せないようにするというのが、一案。コンピュータ用語では「モーダルウィンドウ」と申します。「下層の処理をしている間は上層の処理に戻れない」というインターフェースでございます。

もうひとつの案、それは、「普通/大盛り」ボタンを押さずに「おつり」ボタンを押した場合は、「普通」が選択されたと見なして先に進むか、あるいは「普通/大盛り」ボタンへ誘導するエラーメッセージを出すという処理。これは、文字通り「エラー処理」ということになります。

券売機のプログラミングにこんなちょっとした配慮があれば、善良な市民をトラップにはめずに済むのでございます。また、店員が再起動する手間も、少なくなるはずでございます。日本の券売機・自販機は目覚ましい発展を遂げて、世界にも珍しい文化を持っております。しかし、人間との接点の部分は、まだまだアナログっぽくて、課題が多いようでございます。

人間と機械との接点を、「マンマシンインターフェース」と申します。気まぐれで無秩序な動作をする人間という厄介な動物相手ですので、機械もさぞかし大変でございましょう。マンマシンインターフェースの進化は、人間と機械との永遠の課題かもしれませんね。と、まぁ、綺麗に閉めておきましょうか。では、では。


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