店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
70年という月日は、長すぎましたよね。北方領土へ墓参りに行かれた方々のお話では、昔の面影はなく、自分たちが住んでいた家も跡形もなく消えているとのこと。逆に、既に何十年もその島々で暮らしているロシア人の方々にしてみれば、あずかり知らない70年も前の出来事で自分たちの生活の場が失われるかもしれないというのは、死活問題でありましょう。
かねてより、領土問題での日本の立場に少し疑問を持っております。領土問題になると、日本政府は「領土問題はありません」と言い切ってしまう。つまり、「もともと日本の領土であり、『不法占拠』されているに過ぎない」という立場を取り続ける言い方でございます。この日本的な「たてまえ論」は、海外には通用しないんじゃないでしょうか?
このたてまえが有るために、日本人がその場所を訪れる際に、問題になる。当然、実効支配されているわけですから、パスポートが必要になる。ところが、パスポートを使って訪れると、そこが相手国の領土だと認めてしまうことになる。この矛盾が発生するために、日本側が渡航を認めないわけでございます。
でも、このたてまえは、相手国には伝わらない。何かしらのアクションが無ければ、相手国は「諦めたんだ、認めたんだ」というメッセージが伝わるだけ。欧米人の感覚は、日本独自のたてまえなんか理解しない。現実主義なのでございます。日本も、現実を受け入れていかなければいけないのでございます。
北方四島から追い出された方々には気の毒ですが、もはやあの島々が日本の領土として戻ることは、現実的に有り得ないと思うのでございます。それほど、70年という月日が、長すぎました。日本が交渉出来るとすれば、共同開発とか漁業権の交渉くらいでございましょう。
「負けるが勝ち」なんて言葉もございます。この件では相手の顔を立て、花を持たせることになっても、それを将来につなげましょうよ。この交渉をゴールとするのではなく、これを「スタート」とするのでございます。そう、「平和条約」という新しい目標もございますしね。安倍首相がそこまで見越して北方領土の交渉をしているかどうかは分かりませんけど、未来を見据えた交渉をして欲しいですよね。