«前の日記(2016-11-25) 最新 次の日記(2016-11-27)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2016-11-26 【毎回、シンプルな文章を目指しているのですけどねぇ】

ワタクシの座右の銘は「固定観念を外す」。幼少期に読んだ『頭の体操』という本で感化されたのが発端でございます。『頭の体操』というのは、心理学者の「多湖輝(たごあきら)」さんが書かれた名著で、まぁ単なるクイズ本なのでございますが、その本の前書きか後書きの内容に、子供ながら感動したのでございます。

クイズ番組の監修などもしていた多湖輝さんは、クイズという観点から固定観念を説いておりました。クイズというのは、人間心理の固定観念を利用して騙そうとするもの。だから、その固定観念を外すことによって、クイズも解くことが出来る。そういった理論でございました。

固定観念を外す助けとして、多湖輝さんはこんなことを書いておりました。「極端に大きく(小さく)したらどうか?」「逆さまにしたら、裏返したらどうか?」...え〜と、他にもいっぱい書いてあったのですが、忘れちゃいました。なにしろ幼少の頃に読んだ本なもので。

ただ、幼少期のワタクシは、そのエッセンスだけは強く感じ取ったのでございますよね。つまり、「クイズを解くには、固定観念を外せ」ということ。そして子供ながらに印象に残ったのは、「極端に○○する」という表現。それ以来、「極端に○○してみる」というのが、ワタクシが固定観念を外す場合の常套句になっております。

今日見ていたテレビ番組で、この「固定観念を外す」という語を聞いて、驚きました。Eテレの『SWITCH インタビュー 達人達(たち)』という番組でございます。本日のゲストは、僧侶であり庭園デザイナーの「枡野俊明(ますのしゅんみょう)」さん。この方が「禅」を語っているときに出た言葉でございます。

当たり前だと思っていること(固定観念)を、どんどん外していく。そうすると、最後に残ったシンプルなものが、実にありがたく思えてくる。そういった「引き算の美学」が禅であり、庭園デザインであるということだそうです。枯山水のようなシンプルなものほど、その引き算の考え方が重要だとのこと。

ワタクシも、かつて音楽や舞台を勉強しておりました。「表現する」ということを問い詰めれば詰めるほど、「シンプル・イズ・ベスト」という形に収束してくるのでございます。欲を出して足し算をしているうちは、表現がまとまらず発散してしまう。でも、散々トッピングしたものを振り払って裸になったとき、表現の本質が見えてきたりするのでございます。

ただね、最初からシンプルを狙っても失敗する。欲を出して、足し算をやり尽くした後でないと見えてこないものもあるから、面倒くさい。「枯れた表現」なんて言いますが、そう、「枯れる」というのは、葉を繁らせ、花を咲かし、実をつけ、そういった過程を経た後のエッセンス状態なのでございますよね。

マツコ・デラックスさんも、似たようなことを言っておりました。絶妙な歌というものは、もはやその絶妙さを感じられず、「その絶妙さが当たり前になって埋もれてしまっている」とのこと。本当に絶妙な歌い手ほど、シンプルだということでございましょう。

さ〜て、シンプル・イズ・ベストなんて言いながら、また長文になってしまいましたね。反省、反省なのでございます。(_ _ )/ では、では。


«前の日記(2016-11-25) 最新 次の日記(2016-11-27)» 編集