店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
岡本太郎さんの作品に、「座ることを拒否する椅子」という作品がございます。背もたれもなく、座面には「顔」があり、極端に座り心地の悪い椅子でございます。でも、これもアート。「アート」というのは、作品から人へメッセージを発する物。その悪い座り心地そのものが「アート」なのでございます。
木製の展示物が炎上し、5才の子供さんが焼死するという凄惨な事故が起きまして、心を痛めております。多くの学生が携わっていて、誰1人、その危険性に思いが及ばなかったというのが、実に残念でございます。「デザイン」とは名ばかりの「アート気取り」の作品に、腹立たしい思いも少しございます。
アートが作品から人へのメッセージであるのに対し、「デザイン」は「作品が人を受け入れる物」なのでございます。方向性が真逆なのでございます。作品の製作者は、その作品を使用する人の「顔」が見えていなければいけない。それを考えると、学生等の思い違い、創造性の無さ、その未熟さが残念でなりません。
それと、不特定多数の人が使う物というのは、製作者の意図しないことが必ず発生する。お店の備品でもそうですが、通常とは違う使い方をされる場合も多い。お客様がどんな使い方をしても、壊れたり怪我をされたりということがないような、そんな備品の選び方や設置の仕方が要求されるのでございます。公園のベンチとか異常に頑丈に作られておりますが、あれもそういうった理由でございます。