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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-11-06 【子供のころに火遊びのひとつでもやっておけば、気づけたのかも】

岡本太郎さんの作品に、「座ることを拒否する椅子」という作品がございます。背もたれもなく、座面には「顔」があり、極端に座り心地の悪い椅子でございます。でも、これもアート。「アート」というのは、作品から人へメッセージを発する物。その悪い座り心地そのものが「アート」なのでございます。

木製の展示物が炎上し、5才の子供さんが焼死するという凄惨な事故が起きまして、心を痛めております。多くの学生が携わっていて、誰1人、その危険性に思いが及ばなかったというのが、実に残念でございます。「デザイン」とは名ばかりの「アート気取り」の作品に、腹立たしい思いも少しございます。

アートが作品から人へのメッセージであるのに対し、「デザイン」は「作品が人を受け入れる物」なのでございます。方向性が真逆なのでございます。作品の製作者は、その作品を使用する人の「顔」が見えていなければいけない。それを考えると、学生等の思い違い、創造性の無さ、その未熟さが残念でなりません。

それと、不特定多数の人が使う物というのは、製作者の意図しないことが必ず発生する。お店の備品でもそうですが、通常とは違う使い方をされる場合も多い。お客様がどんな使い方をしても、壊れたり怪我をされたりということがないような、そんな備品の選び方や設置の仕方が要求されるのでございます。公園のベンチとか異常に頑丈に作られておりますが、あれもそういうった理由でございます。

子供が面白がって、電球に木くずを被せて遊んだかもしれません。木から透けて見える光って、綺麗ですからね。もし電球がアクリル板などでカバーされていたら、あるいは、もしクリスマス電飾の様に電源回路が別になっている電球だったら。使う人の顔が見えていたら、ちょっとした配慮で防げた事後でございましょう。悔やまれるのでございます。

傍にいらっしゃったお父様、辛かったでしょうね。お心、察しいたします。そして、亡くなられた子供さんの冥福をお祈りいたします。さらに、デザインを勉強されている方々が、この事故を貴重な教訓とされることを、心から願います。


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