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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-10-02 【宇多田ヒカル、もうお母さんなんですね】

お店の近くには、ライブハウス、コンサートホールなどがいくつかありますので、開演時間ごろには、若い人たちが歩道に並んでいるなんてことがよくございます。本日も、お昼から大変な人だかり。しかも、いつもとは桁違いに多い。「な、なんだ、この人の多さは?」なんて思いながら、人込みを分け入ったのでございます。

お店に戻って、本日の出演者を調べると、「MIYAVI」という名が。へぇ、いったいどんなバンドなんだろと思いながら調べますと、バンドではなく、個人名。ギタリストとのこと。どんな演奏なのかと、これまた YouTube を覗きますと、トム・クルーズとツーショットの映像が。さっそく、視聴したのでございます。

なんか、カッコイイし、ギターは上手いし、英語は堪能だし、ええい!、完璧じゃん! ということで、非常に好感度が持てたのでございます。「出演者とファンは似る」とはよく思うのでございますが、この場合も、MIYAVI さんの人柄の良さと、歩道で並んでいたファンの方々の整然とした様子を比べて、「やっぱり、似ているなぁ」と再認識したのでございます。

同じ音楽つながりで、別の話題。宇多田ヒカルさんが『SONGS』に出演しておりました。朝ドラの主題歌『花束を君に』が、どうも胸に突き刺さる。気になって、番組を観ておりました。共演者は糸井重里さん。糸井さんが宇多田さんに、「若い頃、どうしてあんなに苦しそうに歌っていたの?」と質問していたのが、印象的でございました。

そう、ワタクシも宇多田ヒカルのデビュー時期、同じように感じていたような気がいたします。宇多田ヒカルのデビュー時、ワタクシは38才。ちょっと、音楽への嗜好が違ってはいたのですが、お店のショータイムで使いやすい楽曲ということもあり、CDはちょくちょく購入しておりました。

当時は、宇多田ヒカルを聞いても、その才能は感じておりましたが、なにかしらの窮屈さが有って、聞き込むとか入れ込むということはございませんでした。糸井さんの質問で気がついたのでございますが、そう、当時の彼女は、苦しそうに歌っておりました。それが、ワタクシには引っかかっていたのでございましょう。

「宇多田ヒカルの歌い方が変わった」とは、ここのところよく言われております。確かに、変わっておりますねぇ。そして、この「花束を君に」の歌詞が、ワタクシの心に突き刺さる。

「言葉を重ねても真実にはならないから、言いたいことは山ほどあるけど、神様しか知らないまま、今日は贈ろう、涙色の花束を」(歌詞の一部を要約)

人はどうしても、言葉で自分の思いを伝えようといたします。そして、ときには意志の疎通が出来なかったり、あるいは誤解されたまま疎遠になってしまう人も多いものでございます。伝わらない悲しさ、言いそびれた無念さ、そういうものをすべて昇華させてくれるような歌詞でございます。そう、言葉に頼ってはいけないのでございますよね。

また、こんな歌詞もございます。

「毎日の人知れぬ苦労や淋しみもなく、ただ楽しいことばかりだったら、愛なんて知らずに済んだのに」(歌詞から抜粋)

逆説的な言い方ですよね。ひっくり返すと「人知れぬ苦労や淋しさを知って初めて、あなたの愛に気がついた」ととれます。自分が出産して初めて、自分の母親(藤圭子)の「人知れぬ苦労や淋しさ」に共感したということでしょうか? これもまた、興味深い歌詞でございます。

年取ると、新しいものを開拓せず、昔聞いていた曲ばかり聞き返す事が多くなってしまいました。もっといろいろ、好奇心を持って臨まなければいけませんね。そんなことを考えた、日曜日でございました。では、では。


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