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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-09-24 【「高名の木登り」ならぬ「高齢の店主」のお話】

今日は、ほんと、たわいもない話。

林檎が好きで、八百屋へ定期的に買いに行っております。近所の行きつけの八百屋。店主がかなり高齢。高齢の方のお店というのは、いろいろ面白い事が起こります。いつも、ワクワクしているのでございます。

先日も林檎を買いに行きますと、そこの店主、「これ、いいよ」とある札を指し示しました。見ると、「赤クレープ」と書いてある。しかし、高齢ゆえか、棚の上が、ゆるくというかファジーな陳列になっておりまして、その「赤クレープ」が何を指すのか分からない。そもそも、八百屋にクレープって何よ(笑)。その札のあたりを見回すのでございます。

赤いものでそれらしきもの。近くに、真っ赤に熟れたスモモがございます。これかなぁと思いながら眺めておりますと、そこの店主、「これ、これ」と言いながら、ひょいとある袋を取り上げたのでございます。袋の中には、夏みかんの様な果物が3つほど入っております。「エッ? これ、黄色じゃん、赤くないじゃん」と怪訝に思いながらも、「まぁ、新種の果物かな」なんて思いながら買ってまいりました。

部屋に戻って、さっそく、入刀。真っ二つに切って、断面を見て、全てを了解。その怪しい黄色の夏みかんの様な果物、実はピンクグレープフルーツでございました。グレープフルーツはよく知っておりますから、八百屋の店頭で分かったはずなのですが、頭の中が「赤クレープ」の先入観で染まっておりましたので、気づかない。いやはや、先入観とは恐ろしいものでございます。

この事件を、いろいろ検証してみるのでございます。まず、「ピンク」と書かずに「赤」と書いた事。高齢な店主、ピンクという語に馴染みがなく、スイカと同じ感覚で「赤」と書いたのでしょうか? あるいは「ピンク」という語にトラウマ? ピンク関係で奥さんと揉めた事が有り、店頭に「ピンク」という文字を置く事がためらわれたとか。まぁ、高齢な店主ですので、「日本人なら漢字で書け!」とばかりに「赤」と書いたのかもしれません。

問題なのは、「クレープ」の方。八百屋ですので、「グレープフルーツ」という語を、本当に知らなかったのか? という疑問がわき上がってまいります。もちろん「グレープ」が葡萄である事は知っていたでしょう。で、グレープフルーツを初めて見たときに、「これは葡萄じゃないから『グレープ』という名前が付いているはずがない」と直感で考え、「そうそう、クレープって何かで聞いたな、クレープフルーツだろ」と脳内変換したのではないか、そう勝手に推測するしだいでございます。

長年、「クレープフルーツ」と思い込んでいたかも知れませんね。で、「フルーツなんて見て直ぐ分かるから、『フルーツ』の部分は省略しちゃえ」とばかりに、「フルーツ」をぶった切って、「クレープ」と思い込んでいたのかも。年寄りってのはめんどくさがりですので、何かと省略したがる。これも、省略しちゃったのかもです。いやはや、思い込みというのは恐ろしいものでございます(ワタクシ個人の、勝手な推測でございます)。

かくして、「赤クレープ」の謎は、解けたのでございます。めでたし、めでたし。いい年齢のワタクシが言うのもなんですが、ほんと、お年寄りのやる事はおもしろい。いろいろな事が起きるのでございます。ワクワク...


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