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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-07-22 【無印の六角ボールペン、あれも秀逸】

本日の『たけしの日本のミカタ』というテレビ番組で、万年筆の修理職人を紹介しておりました。ワタクシも、万年筆は大好きでございます。ただ、普段使っているのは、ボールペンやシャープペンシルでございます。万年筆を使うのは、ある場合だけ。そのある場合とは、「ネタ」が天から降ってきたときでございます。

「ネタ」とは何ぞや? それは、頭の中に突然浮かぶアイデアでございますね。この「ひとりごと」欄の題材であったり、お店の企画であったり、ニュースを見た感想であったり、そのようなものが、それこそ、「突然」、頭の中に浮かぶわけでございます。

その浮かび方が、独特。いきなり全体像が「ポンッ」と浮かび上がる。言葉ならセンテンスや文章全体が、情景ならばイメージ全体が、そういったものが完成型の形で頭の中に現れる。よく「アイデアが空から降ってくる」と申しますが、まさにそんな感じでございます。

しかし、この「ポンッ」が困りもの。すぐに蒸発してしまうのでございます。そこで、慌ててメモ用紙なり、チラシの裏なり取り出して、書き留めるわけでございますね。ここで、万年筆登場! ボールペンやシャープペンシルではなく、わざわざ万年筆を取り出す理由が有るのでございます。

万年筆の特徴は、圧倒的に筆圧が少なくてすむこと。これ、重要。ポンッが消えないうちに慌てて書き留めようとしますから、とんでもない走り書きでございます。後から読み直した時、書いた本人でさえ判読難解な場合もございますが、それくらいの走り書き。高い筆圧が必要な筆記具ですと、筆と紙の引っかかりに気を取られて、ポンッのダウンロードが緩慢になってしまうのでございます。

感性のままに行動しようとするとき、「必要最小限の力しか入っていない」ということ、これ重要でございます。これは筆記に限らず、歌唱やダンス、楽器演奏、演技、あと職人さんの細かい作業など、感情や感性をダイレクトに表現しようとする場合の普遍的な感覚でございます。

しかし、最初から力が抜けた動作が出来るわけではございません。練習中、修得中は、力が入りまくります。力が入っているということは、それはまだ「意識下」にあるということでございます。練習をくり返し、動作が体に染みこんでいき、徐々に力が抜けてくると、次第に「無意識」の領域に入ってくるわけでございます。その時、感性と表現が融合いたします。

分かりやすい例を申し上げましょう。みなさん、ご自分の住所や生年月日は、何も考えずにすらすら言えますよね。自分の住所や生年月日なんてものは、完全に無意識の領域に押しやられています。ところが、引っ越しした直後に住所を言おうとしたら、ちょっと考えますよね。これは、まだその住所が「意識下」にあるから。意識下と無意識の領域とはそういう関係でございます。

練習や訓練で力が抜けていくということを、「枯れる」と比喩します。「枯れた演技」とか言いますよね。枯れていくというと、すべてにおいて力が抜けているようなイメージがございますが、そうではございません。本当に必要な部分だけに、必要な力だけが入っている、それが「枯れた」状態でございます。あのイチロー選手のバッティングフォームも、実に枯れておりますよね。

さて、万年筆一本から、お話が膨らんじゃいましたね。ワタクシが長年愛用している万年筆が、コレ。

高額なものではございません。¥200ほどの万年筆。これの特徴は「使い捨て」であること。つまり、インクを補充できません。インクを補充することを考えておりませんので、全体が密閉構造になっております。この構造のおかげで、しばらく使わない状態があっても、インクが自然に減っていたりしないのでございます。常用でなく散発的に使うワタクシのような場合ですと、非常に助かります。カートリッジ型のものは、使おうとするとインクが蒸発して無くなってしまっていたりするのでございます。

う〜ん、なんだか、喧伝みたいになっちゃいましたので、そろそろ切り上げましょうか。本日は、このへんで。では、では。


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