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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-07-06 【東京オリンピックで開発されたのが始まり】

食いしん坊の名古屋薫、ですのでワタクシのコラムでは食べ物の話題が多いのでございます。今日は、カップ麺のお話から。まずはこれ、

 「お召し上がりの“直前”に」というやつ。もうね、この「直前」ってのが曖昧で、嫌んなっちゃう。カップ麺では、スープ類を「前」に入れるか「後」に入れるかは生死にも関わる最重要な項目。そのような重要なことを、「食べる直前」なんていうシュレーディンガーの猫レベルの不確定な言葉でお茶を濁していることに対し、カップ麺およびカップ焼きそば業界全般に、猛省を促すのでございます。

お腹を空かしている人にとっては、「お湯を沸かしているときから既に“直前”」なのでございます。つまり、お湯の前であるか後であるかが重要なのに、この「直前」という語は、そのお湯を基準点にしていない。これが、指示書としての致命的な欠点なのでございます。ですので、正確には「○分待った後にお入れ下さい」というのが正解。これならば、解釈の個人差を完全に吸収できるのでございます。

ここで、ゲスの勘ぐり。この表記を「○分待ってから〜」という表記にしていないのは、この時間が商品によって違うからではないでしょうかねぇ。3分の商品もあれば5分の商品もある。どの商品でも「同じ小袋」を使い回せるように、汎用的な「召し上がる直前」という表記にしているのでは、と勘ぐるわけでございます。あ〜あ、みみっちいたらありゃしない。

東京オリンピックを控えているというのに、こんな曖昧な表記を残しておいてはいけないのでございます。日本のカップ麺は、世界的に人気のある商品。そんな世界的ヒット商品に、日本語の曖昧な説明しか表記してないというのは、これは「傲慢」と言わざるを得ない! しかも、作り方の説明が、これまたすごく小さな文字である事も多い。これも「傲慢」! カップ麺メーカーの、この様な傲慢を許していてはいけないのでございます。

そこで、「日清」、アンタがやんなさい。かつてインスタントラーメンの業界品質向上のため、製造ノウハウをオープンにしたという功績のある日清さん。アンタが「誰にでも分かるマーク」を作んなさい。そして、それを業界標準にするのでございます。誰にでも分かるマーク、そう「ピクトグラム」というやつでございます。トイレや非常口のマークでお馴染みのやつでございます。字の読めない外国人、視力の悪い人、そんな人が作り方を間違えるという悲しい事件を、ピクトグラムで防ぐのでございます。

 ピクトグラムが目指すのは、「グローバル」でございます。文字を排除することで、言語に関係なくメッセージを伝えられるのでございます。このピクトグラムで今や世界的に有名になったのが、先ほど申しました「非常口」のマーク。このマークは日本発祥でございますが、分かりやすいということで、今や世界中で採用されております。これこそ、ピクトグラムの成功例でございますね。

 一方、既存のピクトグラムを改めようという流れもございます。経済産業省が、温泉マークなどを外国人にも分かりやすくしようという改革案を発表しております。この温泉マークが、ワタクシ的にはどうもいただけない。なんか、親子三人でお湯に浸かっている姿。もうね、経済産業省のセンスを疑っちゃう。ピクトグラムというのは、こんな写実的じゃダメだと思いますよ。もっと、エッセンスを抽出しダイレクトに表現する、そんな単刀直入さが感じられないのでございます。

そこで、逆の発想。非常口のマークが世界中に受け入れられたように、温泉マークも既存のものを世界中に「売り込む」のでございます。かつては「英語が世界標準語」と言われておりましたが、来日する外国人の中には、わざわざ日本語を勉強して訪れる人も多い。それは、日本語そのものを気に入り、日本語でコミュニケーションすることを喜びとする外国人が増えているからでございます。同様に、温泉マークもあのまま売り込む。そして「ONSEN」という語そのままで、外国人旅行者に発信し、定着させるのでございます。日本の文化ですからね、強気で行かなきゃ。

 グローバルで感心したのは、レゴブロックの組立説明書。多分、世界中の商品に同じ説明書が付けられているのでしょう。組立時の注意、そして組立の手順、その全てに文字が全く使われておりません。すべて「絵」で表現されております。これは秀逸。もちろん小さな子供にも分かるような表記を目指しての結果なのでしょうが、その徹底ぶりには感心するのでございます。

ひらがな、カタカナ、漢字を駆使し、最近では「絵文字」まで発明した日本人には、ピクトグラムはお得意なはずなのでございます。どうか、カップ麺のピクトグラム、よろしくお願いするのでございます。日清さん、よろしく! では、では。


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