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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-05-29 【(和風総本家風に)日本って、いいな】

最近はその手軽さから、ネットで書籍を購入することが多くなりました。しかし、思いも寄らぬ本に出会うことも多いので、ワタクシは出来るだけ街の本屋へ足を運ぶようにしております。昨日、たまたま出会ったのも、こんな本。

仰々しい題名ではございますが、子供向けの絵本、内容は、こんな感じでございます。

美しいイラストにひかれて、ついつい購入してしまったのでございます。編集者を見ると、「齋藤孝」というワタクシにとっては馴染みのあるお名前。この方の本はいくつか持っておりますし、監修をしている「にほんごであそぼ」(Eテレ)という番組も、大好きで毎日録画して観ております。

齋藤孝さんの出されている本に、『声に出して読みたい日本語』のシリーズがございます。どうも、ワタクシ、この方が書かれた本は衝動買いしてしまう傾向が有るようでございます。今回も「齋藤マジック」にしてやられた感がございます。

そこで、昨年、「アナと雪の女王」の挿入曲が、なぜか日本語バージョンのみが大ヒットするという出来事がございました。日本語を勉強する外国人の中には、「日本語の響きが美しいから」と言って学んでいる方も少なくございません。実際に、日本語というのは他の言語に比べて、音声学的に非常に美しい言語なのでございます。今日は、その美しさをひもといていきましょう。

ほとんどない「無声音」

日本語の特徴として、「無声音がほとんど出現しない」という特徴がございます。ヒソヒソ話をする時に、声を出さずに息だけで言葉を発するでしょ。あれが無声音。関東の言葉にはところどころ混ざりますが、関西の言葉にはほとんど出てこない。関東弁が威勢良く、関西弁が柔らかく聞こえるのは、これも一因でございます。

一方、日本語以外のほとんどの言語は、この無声音だらけ。音の半分くらいが無声音。無声音っていうのは基本的に「空気のこすれる音」ですので、無声音を多く含む言語っていうのは、音声学的には「雑音ばかり」と言っても過言ではない(個人的な感想です、笑)。ですので、無声音になれた言語の方が日本語を聞くと、まるで「グレゴリオ聖歌」を聴いているような癒やし感を得るのではないでしょうか。

メロディーのようなアクセント

日本語のもうひとつの特徴が、アクセント。やはり、世界的に多いのは「強勢アクセント」といわれるもので、主に音の「強弱」によってアクセントを表現する。一方、日本語は「高低アクセント」。音の「高さ」によってアクセントを表すのでございます。強勢アクセントの言語は、より「打楽器」的、パーカッシブな響きであるのに対し、日本語は普通に話していても、それが「メロディー」になっているのでございます。

歌の世界では、この高低アクセントで困ったりすることもございます。曲によっては、アクセントの高低とメロディーの高低が逆位相になっていることもございます。洋楽に日本語の歌詞を貼り付けた時など、こういったことが起こりやすいのですよね(だから、ミュージカルではしょっちゅう)。

この場合は、歌詞をずらしたり、ちょっとメロディーを変えたりとかして、日本語として伝わりやすい歌い方をしたりいたします。日本のミュージカルには、どうしても「むず痒い感」が出てしまうのは、日本語という言語が元々「メロディー」を含有しているからではないでしょうか?

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なんか今日は、日本語の美しさを力説してしまったのでございます。日本人が英語をなかなか習得できないのも、発音やアクセントが根本的に英語とは「真逆」であるというのが、その原因のひとつではないでしょうか? 英語教育の重要さがよく語られる昨今ですが、進んで日本語を学びたいという外国人も増えております。(水野晴郎風に)「日本語って、ほんとうにいいものですねぇ」。では、では。

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◆参考◆

『祇園精舎』ー声にだすことばえほんー

齋藤孝 編 山本孝 絵
 ほるぷ出版 ¥1,200+税

『子供版 声に出して読みたい日本語』1〜3

齋藤孝 編 下田昌克・江口修平・大滝まみ 絵
 草思社 各¥1,000+税

『声に出して読みたい日本語』1〜3

齋藤孝 著
 草思社 各1,200〜¥1,300+税

「にほんごであそぼ」(Eテレ)

http://www.nhk.or.jp/kids/program/nihongo.html


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