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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2011-06-12 【やせ我慢は、腹が据わっていなければ出来ません】77.85kg

震災から3ヶ月、この3ヶ月間の日本政府の動向を見ておりまして、絶望まで行かないまでも、何か“幻滅”を感じております。日本の政治が「利権」を軸に動いていることの弊害がこれほどまでに露呈すれば、何かしらの“変化”が起きるのではないかと儚(はかな)い希望を持ちましたが、どうやらこのまま、何も変わらずに日本という国は迷走していくようでございます。賄賂と独裁で発展してきた中国を、日本は何ひとつ批判できないのでございます。

名古屋市長の河村たかし氏があるテレビ番組で、「お金とは何?」という問いに、「やせ我慢」と答えておりました。減税と議員報酬半減を公約として弱音を吐くことが出来ない今の心境を述べたようにも感じられますが、やせ我慢というのが河村氏のリーダーシップのポリシーなのではとも思えてまいりました。まずトップが“我慢”しなければ、どうして市議や市民が安心して付いてこられるだろうか、自らの姿勢をもってリーダーシップをとるというスタイルなのではないか、ふとそう思ったのでございます。

当店は、6年ほど前に税務調査が入っております。それまではちょっといい加減な運営をやっておりましたので、ゴッソリと追徴課税を請求されたのでございます。一度に払える金額ではございませんでしたので、物を処分したり借金をしたりしながら、2年かけてその追徴を払ったのでございます。ここでワタクシが重要視したのは、従業員の“ベクトル”。お店を運営するにあたって、従業員のベクトルというのは実に比重が重いのでございます。

従業員全員が向いている方向とお店の方針が揃っておりますと、お店というのは“軽く”動いていけるものでございます。運営していても、追い風を感じるものでございます。ところが、従業員の思惑がバラバラだったり、多くの従業員が不安を抱いていたりしますと、お店を動かしていくのがとても重たくなるのでございます。ですから、お店を動かしていくということは、まず従業員のベクトルを揃えることが第一なのでございます。

それで、その税務調査が入って従業員が不安を感じている時に、ワタクシはどうしたか? まず、広告を絶対に減らさないこと、そして、お給料を絶対に遅らせないこと、この二つを約束したのでございます。やりくりが苦しい時に、広告を減らして経費節減をするのは簡単でございます。一時的にやりくりは楽になるでしょうが、しかしそれは従業員の不安をあおり立てるだけで、必ずお店の運営は「重たくなる」のでございます。トップがやせ我慢をしてでも、まず従業員全員のベクトルを揃えてお店全体の機動力を高めることが、最優先なのでございます。

今回の大震災の後も、当店では従業員の給料を、ほんの少し上げました。これもやはり、不安を抱いている従業員のベクトルを揃えるのが目的でございます。小さなお店でさえ、従業員のベクトルが揃うかどうかで、お店の運営の重さは大きく変わってまいります。これが国家レベルならどうでしょう? 今回の震災は、すべての国民に大きな衝撃を与えたことでしょう。ひとりひとりの出来ることはわずかですが、日本中の国民、いや世界中の人々も含めまして、大勢の人のベクトルが揃うと、そこには強力な機動力、そして莫大な義援金、そういったものを生み出すパワーが出現するのでございます。

日本の政治のリーダーシップ不在は、世界中から指摘されております。日本の政治家は、国民のベクトルをどこまで感じ取っているのでしょうか? 復興にあたっては、やれ増税だ、やれ国債だと、まったく自腹を切ることを考えていない様子でございます。「まず自分たちがやせ我慢をする」という発想は、日本の政治家にはないのでしょうか? そのやせ我慢が、国民を安心させ、リーダーシップにつながっていくはずだと思うのですけどねぇ。


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