店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
本日もテレビ番組からの話題。NHKスペシャル「原発解体〜世界の現場は警告する」という番組を見たのでございます。世界中で、老朽化した原子力発電所の解体作業が始まっているそうでございます。その解体作業での大きな問題点を取り上げた番組でございます。
ワタクシが小学生の頃、学校の社会科では「原子力発電の割合は、全発電量の1パーセント」と習った覚えがございます。それが、ここ数十年で30パーセントにまで増えております。しかし、それでも、日本の原子力発電は欧米諸国に比べると、「10年遅れ」だそうでございます。逆に言いますと、欧米諸国ですでに行き詰まっているこの解体作業での問題が、そろそろ日本でも話題になってくるということでございます。
放射能というのは実にやっかいで、まず「消すことが出来ない」。自然に消えていくのを待つしかないのでございます。それも、人間に害がないほど薄まるには、何十年から何百年もかかるのでございます。そして次に、「洗うことが出来ない」。洗っても、その洗い流した水が汚染されるだけ。洗うということは、汚染を広げるだけなのでございます。さらに、「燃やすことも出来ない」。燃やしても分解されず、大気中に放出されるだけでございます。ということですので、放射能を帯びた金属は、かりに溶かして他の形に作りかえたとしても、いぜん放射能を帯び続けることになるのでございます。
そして怖いのは、放射能を帯びた物質を吸い込むと、それは排出されることなく体内にとどまり、放射能を出し続け、がん細胞の製造工場になってしまうということでございます。それゆえ、原子力発電所の解体作業では、出来るだけ電動のこぎりを使うとのこと。ガスバーナーなどを使うと放射能を含んだ煙が発生し、とてもやっかいなことになるからだそうでございます。
このように、扱いの面倒な放射能。作業服などは、燃やすことも洗うことも出来ませんので、汚染度の低いものはリサイクルに回し、高いものはドラム缶に詰めて保管するということになります。解体で出た巨大な廃棄物も、すべて細かく切られ、専用の大きな金属の箱に入れられ、やはり保管。捨てられないので、保管するしかないのでございます。世界的に困っているのは、この保管場所。すべての廃棄物を保管するだけのスペースを確保している国は、まだどこにも無いそうでございます。多くの国がとりあえず仮の場所に保管し、恒久的な保管場所を探しているというのが、実情なのでございます。
この問題ってさ、学校で放射能物質の半減期とかを習ったことがあれば簡単に予想がつく問題なんだけど、今までみんな「見て見ぬふり」をしてきたよね。笑っちゃうのは、原子力発電所を建設するときに、解体するときのことをまったく考慮してなかったってこと。当時の技術者にその件をあたると、「解体するときには、きっと科学技術が進んでいるだろうと思った」とのこと。おいおい(笑)。