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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2009-10-12 二点の位置と距離が決まると、ベクトルが生まれるのでございます

「ニュースは、暗いニュースと明るいニュースを半々で報道すべき」という法律を制定!

『深いい話』という番組を見ておりましたら、こんなトピックがございました。ルーマニアでのお話だそうでございます。議会を通過し、大統領の承認を受けたにもかかわらず、ジャーナリストたちの強い反対を受けて、実際には施行されなかったようでございます。

なんだか変な法律、と思われたかもしれませんが、この法律の持つ意味は、意外に根が深いのでございます。実は実は、ニュースというものは「暗いほど」お金になるのでございます。暗いニュースほど視聴率もとれるし、新聞や雑誌の売れ行きも上がるのでございます。もっと言いますと「明るい内容のニュースでも、なんとか暗い要素を見つけて、ことさら、その暗い部分を報道する」ということもやったりいたします。

もうね、みなさん、テレビとかに騙されちゃいけませんよ。たとえば「世の中の声」といった感じで街頭インタビューのビデオとか流しますが、あんなの、片方の意見ばかりチョイスして放送すれば、いかにも多数派の意見のような印象を与えるのは簡単なのでございます。「どこどこの地域では、多くの人が反対しております」とか簡単に使いますが、あんなのも実際に調査して、「○○パーセント(調査数○○)」といった具体例を示さなければ、統計的には全く無意味。テレビってのは、「どんな番組を作ったら視聴率がとれるか」といった方向性がまず先行し、その方向性のためには、どのようなイメージやデータが必要か、ということで実際の映像をかき集めてくるわけでございます。

そうそう、雑誌なんかも、有ること無いことイッパイなのでございます。もし裁判沙汰になったとしても、その裁判でますます話題性が高まり雑誌が売れ、賠償金を払っても結果的には十分ペイできる、そういった皮算用が有ったりいたします。こういったマスコミの商業主義による報道の偏りは、マスコミ自身の“倫理観”に任せるしかないのですが、昨今の長らく不況で、マスコミも死活問題ですので、倫理観なんて優先している余裕も無いのでございましょう。街にあふれる暗いニュースが人々の不安感をあおり、ますます世の中を暗くして、不況を長引かせる。負のスパイラルというやつでございます。

ルーマニアの政府の気持ちも、分からんではないですが、報道に関して規制をかけるとうのは、まずかったのでしょうね。いっそ、国営新聞でも出して自説をその国営新聞で実践すれば良かったのでしょう。もちろん、その国営新聞が、自らの政府を躊躇(ちゅうちょ)なく批判するのは当然のこと。その自己批判の精神が、読者の共感を呼ぶことは間違いないでしょう。で、明るい話題も載せる。夢を語らなければ、現実を語れない。現実を認識していなければ、どちらに進むべきか分からない。夢と現実、この2点が決まったとき初めて、進むべきベクトルが決定するのでございます。

マスコミが「現実」ばかり報道するので、世の中、「夢」がなくなっちゃいましたね。夢というのは、人間にすごいエネルギーを与えるのでございます。最近の若い人を見てると、夢という人生の方向性が定まらず、現実という一点で、やたら空ぶかしばかりしているような人もいらっしゃいます。世の中が、もっともっと、夢を語るような空気になるといいのでございますけどね、どうでしょうか?


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