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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2008-10-09 短期製作、軽薄大量生産、それが今の風潮です

本日は、ワタクシの間違った誘導でお客様を新栄から東新町まで歩かせてしまいました。余分な運動をさせてしまったお客様、ゴメンナサイなのでございます。ただ、このお客様、あっという間に東新町まで歩かれ、そしてあっという間に新栄まで戻ってこられました。その歩くスピードの速さには、ワタクシ、少し驚かされたのでございます。

話は変わりまして、緒形拳さんの遺作となってしまったドラマ『風のガーデン』が本日から始まりました。仕事の合間にチラチラ見ておりましたが、倉本聰さんの脚本には、「しっとり」という形容がよく似合います。その倉本聰さんの脚本を、大事にそして緻密に造りあげられたドラマのように感じられたのでございます。そこで気になって、このドラマの演出家をチェックいたしましたら、これが「宮本理江子」さんという方。脚本家、山田太一の娘さんでございます。妙に納得してしまったのでございます。

さてその『風のガーデン』ですが、脚本の倉本聰さんが「もうTVドラマはこれ(『風のガーデン』)が最後かもしれない」ということを言っております。緻密なしっとりとしたドラマを作る空気が、最近のドラマ製作の現場にはなくなってしまったからだそうでございます。最近のドラマ(特に民放)は、そもそもキャスティングの段階で視聴率優先であり、その結果、出演者の演技力の無さを編集と脚本の書きかえでごまかしていく。そんな軽薄量産ドラマが横行しております。

たとえば化学調味料に慣れすぎてしまいますと、化学調味料が入っていないと「美味しい」と感じられなくなったりすることがございます。同様に、軽薄なドラマになれてしまうと、じっくり作り込んだドラマが敬遠されてしまうということはないでしょうか。スポンサー、制作現場、視聴者、この三者がドラマの軽薄さに慣れてしまう「軽薄スパイラル」、倉本聰さんは、そんな軽薄さに絶望したのではないでしょうか。

歌謡曲の世界では、昭和テイストの懐かしい曲のリバイバルが最近目立っております。ドラマでも、昔ながらのじっくり作り込んだドラマが、もっともっと出てきて欲しいのですけどねぇ。それとも、倉本聰さんのような職人気質(かたぎ)の人は、行き場をなくしてしまう世の中なのでしょうかねぇ。


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