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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2008-09-28 あなたの身近の無重力空間

自動車レースの最高峰、F1レース。そのF1初めてのナイトレースが行われたのでございます。夜間の自動車レースと言えば「ルマン24時間耐久」などで見ておりますので、まぁ昼間のレースに照明がついただけと思っておりましたら、これが異例の美しさ。何ともびっくらこいたのでございます。

この美しさの違いは何なのかと考察するに、ルマンの場合は車両にヘッドライトがついております。ですからコース上の照明は最小限。ルマンの夜間走行のもようは、暴走族を報道するニュース映像となんら変わらないのでございます。

一方、F1のナイトレースはと申しますと、F1の車両にはヘッドライトはついておりません。そこでコース上にこれでもかというほどの無数の照明が取り付けられております。F1レーシングカーの流線型を帯びた車体に、その無数の照明が映り混むのでございます。このF1のナイトレース独特の美しさは、ルマンでの少ない照明と平板的なレーシングカーデザインとの組み合わせでは、絶対にあり得なかったのでございます。

舞台照明やスタジオでの人物撮影などでも、できるだけ多数の照明をあてるものでございます。これは、直接的な目的は「影を消す」ことでございます。物に影があるということは、そこに空間の感覚、奥行きの感覚が発生するということでございます。逆に、物から影を消すと、あら不思議、その物体はは宇宙空間に浮かぶ太陽のように四方八方に同じベクトルを発するようになるのでございます。カメラマンは巧みな照明技術によって、写真のフレーム内に無重力空間を再現するのでございます。

あの優雅なF1マシンの機能美、星々の輝きのごとき照明の映り混み、そして宙(そら)を走るような浮遊感、ワタクシがF1のナイトレースで発見した美しさには、そんな無重力空間を感じさせるものがあったからではないでしょうかねぇ。


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