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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2021-11-10 【名古屋薫が偉そうに朝ドラを斬る!】

和菓子屋の娘「安子」は、朝一番の汽車で大阪に向かった。文通相手の大学生「稔」に会うためであった。昨晩、父親から政略結婚の見合いを強いられた安子は稔とは結ばれない運命を覚悟し、稔とのたった一日だけの思い出を作るために大坂へ向かったのである。

大坂で稔と再会した安子は、その内心とは裏腹に気丈夫に振る舞った。午後いっぱいを二人っきりで楽しく過ごし、夕方、稔は駅まで見送ったのである。安子の肩には稔のマントが掛けられていた。返そうとする安子に、稔は「そのまま着ていき」と声をかける。安子の顔には、複雑な迷いが微かに垣間見えたのである。


今日(11/10)放送の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の演出が、ネット上で大騒ぎになっております。この駅での別れのシーンの直後に主題歌が流れるという、朝ドラ初の斬新な演出。ドラマの最後に主題歌を持ってくるという演出はよく有るのですが、ドラマの残り2分を残しての主題歌は初めての様でございます。その最後の2分間に何が有ったかは、ネタバレになるのでモゴモゴモゴ。

演出家へのインタビューを読みますと、この演出、まさに編集のその作業中に思いついたとのこと。急ぎ、朝ドラのフォーマットとして許されるものかをNHKに打診。で、あの(ネットいわく)「短編映画の様な演出」になったそうでございます。思いついた演出家もすごい! それを許したNHKも、器が大きい! 今回の『カムカムエヴリバディ』は、スタッフ一同がノビノビと自由に作り込んでいる感じがして、清々しいのでございます。

主役の「上白石萌音(かみしらいし もね)」さん、器用な女優さんでございますよね。複数の感情が混じったような微妙な難しい表現をさらりとこなしております。また、他の役者さんのセリフにも細かく反応して、自分の台詞の無い時もきちんと演技をしております。ワタクシ、役者の真骨頂は、セリフの無い時の演技、そして、後ろを向いている時の背中の演技だと思っております。

こういった方が主役だと、スタッフはやりやすいでしょうねぇ。と、ここからが本題。今日は、「スタッフがやり難かっただろうなぁ」と感じられた朝ドラ、つまり「このドラマ、なんかグダグダ感が有るよね」ってタイトルを、ワタクシの独断と偏見で並べ倒すのでございます。まずは、ずらっと並べてみましょうか。参考までに、放送時のヒロインの年齢も添えておくのでございます。

放送年タイトルヒロイン備考
2015年まれ土屋太鳳(当時20) 
2016年べっぴんさん芳根京子(当時19) 
2017年わろてんか葵わかな(当時19)働改
2018年半分青い永野芽郁(当時19)働改
2019年なつぞら広瀬すず(当時21)働改
2019年スカーレット戸田恵梨香(当時31)働改、コロナ、本編ス
2020年エール二階堂ふみ(当時26)働改、週5話、コロナ、本編ス
2021年おかえりモネ清原果耶(19)働改、週5話
働改=働き方改革 本編ス=本編中にスピンオフ挿入

と、こんな感じでございます。ま~ずワタクシが言いたいのは、以前にも申し上げましたが、事務所のゴリ押しか何か分かりませんが、演技経験の浅い若い人を朝ドラに大抜擢するのはゴタゴタの最大の原因でございます。民放の軽いドラマと朝ドラは、主役に要求される仕事量が段違い。老け役も必要。序盤は良くても、中盤から終盤にかけてゴタゴタしてくるのでございます。『まれ』『べっぴんさん』『わろてんか』『半分、青い。』とか。

『なつぞら』は広瀬すずと清原果耶のゴリ押しで、スタッフがさんざん振り回された感じがいたします(あくまでも想像ですが)。『半分、青い。』『なつぞら』あたりは、撮影を進めながら同時進行で脚本が書き上がっていくという感じで、「とってつけたエピソード」が多かったものでございます。こんなところにも、事務所の横やりが入ったのでしょうかねぇ?

『スカーレット』はベテラン「戸田恵梨香」さんの好演でしたが、運悪く、コロナが始まった。後半は一人息子の死へ立ち向かう過激な闘病ドラマになるはずでしたが、コロナの死亡者も出始めてしまい、視聴者感情を考慮してか、ややゆるい闘病ドラマにするしか無かったと思えます。つじつまの合わないセリフなどもありましたし、後半は大幅にシナリオが書き換えられたのでしょう。不運のドラマでございました。

その『スカーレット』、相当に撮影現場が逼迫していたのでしょう。本編中にスピンオフ回を挿入するという奇策に出るのでございます。その逼迫感は次の作品にも現れてまして、それまで週6話だった朝ドラは、『エール』から週5話に放送回が削減。ただ、坪田政孝も二階堂ふみも経験豊かな器用な役者さん。コロナによるゴタゴタさえなければ、非常に出来の良い作品でございました。

さて、『おかえりモネ』。主役の清原果耶さんとは相性の良い脚本家によるオリジナルストーリーの当て書きで、主役の負担を最大限に軽くしての大抜擢。ただねぇ、やは~り、19才の彼女には荷が重かったかなぁ。NHKは、もう2~3年待って、彼女が役者として熟成してからの起用でも良かったのではないか、そう思ったドラマでございましたね。でも、脚本のテーマは素晴らしい! 考えさせられることが多かったドラマでございます。

その『おかえりモネ』の哲学的な重たいテーマの反動でしょうかねぇ? 現在放送中の『カムカムエヴリバディ』、いかにも朝ドラ、これぞ朝ドラ、という作りをしております。テンポ速く、あまずっぱいお話も有る。主役が3世代3交代ということで、現場の負担も本人の負担も少ない。働き方改革以降、やはり、朝ドラの撮影現場はいろいろ逼迫しているのでしょうね。今度はゴタゴタ無しでお願いしますよ。では。では。


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