店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
先日、関東地方を襲った地震の際、気象庁の専門家と記者との間で、こんなやり取りがございました。記者が「今回のが前震で、この後、本震が...」という切り出しで問いますと、その問いに専門家、「前震とか本震とかは全てが終わった後に分かることであって、進行中に判断出来ることではありません」と返答。まぁ、至極納得でございますね。自然現象でございますからね。
今、コロナの感染者数がかなり下がって来ております。情報バラエティー番組などでは、やたら、その「下がった原因が分からないこと」でケンケンゴウゴウ。ア~ア、ナンセンスきわまりない。地震の例と同じく、進行中の今、その原因なんて分からないでしょうし、そもそも、そんなに下がっているわけではない! えっ? 下がっているって? ではワタクシが論理的に説明いたしましょう。
この表、縦軸も横軸も、メモリが等間隔の表なのでございます。えっ? それの何がいけないのかって? 仮に、日々の感染者が100人の状態から200人に増えたといたしましょう。増加率100%! 危機的なパンデミックでございます。でも、1,000人が1,100人に変わった場合は増加率10%。まぁ深刻度は低いのでございます。同じ100人の変化でも、状況次第でその深刻度は雲泥の差。でも、等間隔のメモリの表では、その雲泥の差が同じ様に描画されてしまうのでございます。
これを是正する表が、「対数グラフ」。ワタクシ、コロナの初期の頃から「対数グラフを使うべきだ」と叫び続けております。対数グラフというのは、グラフの数字が小さい領域は目盛が広く、大きな数字になる程に目盛が詰まっていくグラフの事でございます。では、ワタクシがいつも例に出すサイトの表で、等間隔(線形グラフ)と対数グラフの違いをお見せいたしましょう。まずは、等間隔の表でございます。
上述のNHKのグラフと同じ様な曲線になっておりますよね。第1波・第2波のあたりの描画は極端に圧縮され、ほとんど描かれていない。逆に第5波は異常に大きな山として描かれております。そして、「もう、これ、終息するんじゃね?」という勢いで感染者数が下がっているように描画されております。では次に、全く同じデータを対数グラフで表示してみましょう。
オドロキモモノキ! ぜ~んぜん違う曲線になりましたよ! 第1波が長期に渡ってジワジワと増え続けていたことが如実に描画されております。この曲線の方が、みなさま方の実際の感覚に近いのではないでしょうか? そして、最近感染者数が下がって来たとは言え、第2波後の谷値の3,000人/週を下回るほどにはなっておりません。山と谷を繰り返しながら、全体としては右上がりの曲線になっていることが分かるかと存じます。
以上の様に、ことコロナの感染者数を表す場合には、目盛が等間隔の線形グラフというのは極端に「歪んでいる」ということがよくお分かりになることでしょう。これは、世界地図の南極とかグリーンランドのあたりが大きく描画されているのを想像していただくと、分かりやすいかもしれませんね。もうね、各メディア、そして政府のその筋の方々、どうか、どうか、線形グラフは捨てて、対数グラフで語っていただきたいと、切に、切に、願う次第でございます!