店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
今日は、ただ今放送中の朝ドラ『おかえりモネ』のお話。主役の「清原果耶」さんの、その謎めいた魅力に関してお話しいたします。どことなく愁いを帯びた彼女のたたずまい。そして、中性的な顔立ち。演技力はと問われるとまだまだ発展途上なんですけどねぇ、な~んか、ついつい気になってしまう女優さんでございます。
まず、「中性的な顔立ち」と申しました。女優さんに対して失礼ではございますが、彼女の顔は「男顔」でございます。もし男だったら、相当なイケメンでございますよ! その顔立ちからは、女性でありながらも「女々しさ」が香ってこない。この中性的な顔立ちで思い出されるもの、それは、仏像でございます。
そう、彼女は「仏像顔」なのでございます。この仏像顔の持ち主は、どこかしら神秘的な雰囲気を醸し出しまして、芸能界でも水商売でも風俗でも、人気が出やすい顔立ちでございます。綺麗とかカワイイとかではなく、なんか「気になって放っておけず、気持ちが吸い寄せられるような魅力」を、本人が「意図せず」出していることが多いのでございます。
そして、どことなく陰のあるオーラ。これも、本人が「意図せず」出している可能性が高い。この「陰」というの、本人にして見ればただ単に自然に振る舞っているだけなのでしょうが、じゃぁ陰の無い人が演技力で出そうとしてもなかなか出せる物でも無い。「天性」という語を軽々しく使いたくはありませんが、こういうのを天性と呼ぶのでしょうね。
ただ~し、清原果耶という女優さん、ワタクシが評価するのは甚だせん越だとは思いますが、演技力に関しては、まだまだ引き出しが少ない。数少ない演技のカードを、トッカエヒッカエ使い回しているという感じ。ただこれはね、「良い役者」に囲まれている内に自然に上達していくもの。主役というものは、脇役に育てられたりするのでございます。
第2部の「東京編」に入ってから、気になる脇役の女優さんが2人ほどいらっしゃいます。同僚の神野マリアンナ莉子を演じる「今田美桜(みお)」さん。そして、同時期に東京に出てきた友人の野村明日美を演じる「恒松祐里」さん。このお二人が、妙に「器用な」演技の出来る方々で、主役の清原果耶をコッソリとサポートしている。主役の演技力の穴や隙間を、絶妙に埋めてくれているのでございます。ナイス・キャスティングでございます。
どう器用かと申しますと、二人とも顔芸の達人。顔芸と言っても、人を笑わせる顔芸ではございませんよ。この二人の脇役は、主役と絡むことが多い。主役の清原果耶が台詞を言ったり注目されている時に、画面の端で、顔だけで演技しているのでございます。セリフの無い顔芸は、「今、主役の言動が、客観的にどう見えているか、どう聞こえているかを補足して伝える」という役割。ナイス・サポートのご両人でございます。
この朝ドラは、朝ドラにしては重たいテーマを抱えております。「私は誰も助けることが出来なかった」というトラウマを持った主人公が、「誰かを助けたい」という想いで葛藤をする。しかし、友人(?)の医師からの「『あなたに助けられました』という言葉は麻薬ですよ」という謎の言葉が、自分の葛藤にさらに追い打ちをかける。朝ドラによく有る単純な成長ドラマではなく、哲学的なテーマをはらんでいるのでございます。
この重たいテーマは、清原果耶さんだからこそ与えられた脚本でしょうね。彼女の神秘的で陰のあるキャラクターに、よ~く合っているのでございます。オリジナルストーリーにしたNHK、ナイスチョイスでございます。ふり返れば、彼女は重たいテーマのドラマへの出演が多いのですよね。そして、そういった重たいドラマには、演技派の名優が起用されることが多い。そんな名優との共演の数々が、彼女を少しづつ成長させているはずでございます。