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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2021-07-02 【大谷翔平に武士道を見た】

またまた大谷翔平の話題で恐縮でございます。先日のエンジェルスvsヤンキース戦において、大谷翔平がピッチャーとして登板。しかし、四球を出しまくり、1回途中で降板するという試合がございました。まぁ、初回に大量失点をするも、9回に大逆転をしてエンジェルスが勝利するという大乱戦でございました。

メジャーリーグというのは、アンパイアの判定に対するスコアが出されているのですね。それが普通に公開されている。さすが、公文書の国でございます。公文書が「のり弁」などと言われているわが国とは大違い! さて、その大谷翔平が登板した試合の主審のスコアがこれでございます。赤い字は、ワタクシの書き込みでございますね。

この日の主審は、とにかくピッチャーに厳しかったというのが、各マスコミの評価でございます。で、この日のミスジャッジワースト3の中の二つが、初回の大谷翔平の投げたボールに与えられているという状態。たらればの話はいけませんが、先頭バッターに与えた四球がもし三振だったなら、試合はもう少し違った展開になっていたでしょうね。

この主審のジャッジの厳しさを、大谷翔平も実感していたはずでございます。しかしながら、投手交代でマウンドを降りる時、大谷翔平は主審に、軽く挨拶をしているのでございます。「主審に感謝の言葉を述べた」なんていう報道もございます。何を言ったかは分かりませんが、この状況での主審への礼儀正しさに、賞賛の声が上がっております。

ワタクシ、大谷翔平の生き方を見るに、これは、日本人がほぼ失いかけている「武士道」の精神ではないかなぁと思った次第でございます。武士道の中に、「武士の情け」というのがございます。相手を完全に追い込むことなく、相手の面目(めんぼく)を立たせる僅かな隙間を残してやる思いやり。それが武士の情けでございます。

では、新渡戸稲造さんが書かれた「武士道」の中から、ひとつひとつ、大谷翔平に当てはめてみましょうか。


義(ぎ)

「義」とは人間としての正しい道。正義であり良心でございます。大谷翔平に当てはめると、それはフェアプレイの精神。粘着物質のチェックの際の対応を見てますと、彼がフェアプレイに徹底しているのがよく分かるのでございます。

勇(ゆう)

「勇」とは義を貫くための勇気。メジャーリーグに挑戦するというのも勇気。シーズンを棒に振ってまで肘の大手術に臨むのも勇気。自分の目指す道に対し、圧倒的な勇気で立ち向かっております。大谷翔平は勇という名の実行力に溢れかえっております。

仁(じん)

仁とは、他者への思いやり、他者への憐れみの心。先ほどの「武士の情け」もこれでございます。彼の場合、この思いやりは、敵、味方、審判、バットボーイなど、彼を取り巻く全ての人に向けられております。多くのファンが、彼の仁に魅了されているのでございます。

礼(れい)

礼とは、他者への思いやりや尊重から生まれる謙虚な心。謙虚というのは、もはや大谷翔平の代名詞になっておりますよね。バッターボックスに入る際、塁に出た際、主審や塁審への挨拶を欠かさないのが彼。どんな大記録を打ち立てても、彼の口からはいつも、謙虚な言葉しか出てこないのでございます。

誠(まこと)

誠とは、有言実行。「武士に二言なし」なんて言いますよね。ワタクシは大谷翔平のことを、「自己効力感の強い人」と申しております。この自己効力感というのは、目標を実現させられるという強い確信を持てる心のことでございます。少年期からメジャーリーグを目標にしそれを実現させた彼は、まさに自己効力感の塊の様な人でございます。

名誉(めいよ)

名誉とは、自分に恥じない高潔な生き方を守ること。美学の追究でございます。「名誉欲」という書き方をするとチョイト印象の悪い言葉になってしまいますが、武士道で言うところの名誉は、平和思想でございます。そして「何のために生きるか?」という哲学に帰着するのでございます。大谷翔平はあの若さで、この哲学への回答を持っているのでしょうか?

忠義(ちゅうぎ)

武士道の中でこの項目だけはチョイト特殊なので、言及をはばかられるところでございます。この忠義という概念は、多くの時代劇やドラマで脚色され過ぎているきらいがございます。ただ、イチローがメジャー当初、「生涯、シアトルマリナーズでやり通す」と言っていたのは有名な話。大谷翔平にトレードの話が持ち上がった時、彼はどうするでしょうねぇ?


以上、日本人が忘れかけている武士道の精神を、大谷翔平がしっかり実践している感じがいたします。日本に道徳教育が無くなってから久しくなりますが、今まさに、大谷翔平を手本にした道徳教育をしてみてはどうでしょうかねぇ? では、では。


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